2016年12月15日 第51号

極光ともいわれ、ローマ神話の暁の女神、Aurora(アウロラ)が語源とされる、 オーロラ。太古の時代より人々を魅了してきた。

オーロラツアーについて、バンクーバーの旅行会社、IACE Travel(以下IACE)、H.I.S. Canada(以下H.I.S.)、JTB International Jステーション (以下JTBI)、 スカイランド・トラベル(以下スカイランド)(五十音順)に話を聞いてまとめてみた。

 

ホワイトホースで観賞できたオーロラ(写真提供 Government of Yukon) 

 

冬のオーロラツアーの魅力

 オーロラは、実は一年中出現しているが、発生する地域は高緯度で、夏はほぼ一日中太陽が地平線の上。白夜ではなくとも、夜がほとんどない状態になるため、明るすぎてなかなか見えない。

 裏を返せば、冬のオーロラツアーは「冬は暗くなるのが早いため、夏に比べると観賞時間が長くなり、オーロラが見えるチャンスが多くなります!」(IACE)、「夏は、23:00スタートですが、冬は、20:30スタートと開始時間が夏に比べて早い」(JTBI)。人気が高いのもうなずける。

 そのほか、日系旅行会社は、「犬ぞりや、スノーシューなどの極北の冬ならではの体験」(JTBI)、「ツアー観賞中にはバナナで釘を打ったり、水に濡れたタオルが瞬間に凍ったりなどのガイドさんによるパフォーマンスも楽しめます」(H.I.S.)と、「マイナス30度の世界で極寒の地ならではの生活体験」(IACE)など、オーロラ観賞に加えて、極寒の地に冬に訪れるからこその体験を、ツアーの魅力として挙げる。

 さらに、うれしいことに「航空券の金額が夏に比べてお安くなります」(JTBI)という。

 

オーロラ観賞のデスティネーション

 オーロラ観賞の人気のデスティネーションはイエローナイフとホワイトホース。それぞれ異なる魅力がある。

◆ イエローナイフ
 エドモントンかカルガリー経由で4〜6時間(飛行機)。ノースウエスト準州の州都。人口約1万9千人。

 「イエローナイフではオーロラ観賞に特化した施設が整っており、オーロラ観賞以外にも極寒の地ならではのオプショナルツアーを施設内で体験することができます。また、フライトもバンクーバーからは乗り継ぎになりますが、就航本数が多いので出発の時間帯も調整ができるのが魅力的です」(IACE)、「イエローナイフはオーロラベルトの真下に位置するため、世界で1番観賞率が高く、3泊していただくと92%の確率で観賞できます(前年対比、レベル2以上)。オーロラだけを目的でいくのなら、観賞率を取ってイエローナイフに軍配が上がると思います!」(H.I.S.)と、旅行会社の評価も高い。

 観光スポットとしては、ノースウエスト準州の歴史を学ぶことができる、The Prince of Wales Northern Heritage Centre(入館無料)がある。

◆ ホワイトホース
 ユーコン準州の州都で、ゴールドラッシュ時代に一攫千金を狙う人らが、ドーソンシティへの中継地点として集まり、発展した。人口は約2万7千人。

 「カフェやローカルレストランの建物がとてもかわいく、クオリティも高い」ことから「オーロラ以外にも楽しみたい方、街の雰囲気、お土産、グルメなども満喫したい方に、断然お勧め」(H.I.S.)だという。ムース、カリブー、ジャコウウシなど、カナダ北部に生息する10種類の野生動物を、広大な敷地の自然な環境の中で観察できるユーコン野生動物保護区、タキーニ温泉、銅の採掘地に作られた大きな博物館、コッパーベルト・レイルウェイ&マイニング博物館などの観光も楽しい。

 「バンクーバーからの直行便もあるので、フライト時間が短く近いのもホワイトホースの魅力です」(H.I.S.)

*旅のプラン
 バンクーバーから航空券込みのツアーもあるが、現地発のツアーも利用できる。航空券込みのツアー、現地発ツアーの両方を提供しているのはH.I.S.だが、現地発のツアーを扱うIACE、JTBI、スカイランドでも、航空券の手配も依頼できる。

服装・持ち物
 冬のオーロラ観賞にはしっかりした防寒着が必要だ。ツアーに参加するとレンタルもある。

 そのほか、持ち物に関して旅行会社が勧めるのは

①カメラの三脚
オーロラ撮影の際、ぶれを最小限に抑えるため。
②5本指の手袋
ミトンは温かいが指が思うように使えない。外でカメラを扱うときなどのために5本指の手袋。
③帽子
「防寒具の中にフェイスマスク、ミトンが含まれておりますが、冬はマイナス20度以下にもなるため、やはり寒いです。フェイスマスク、ミトンの下にご自身の帽子、手袋を着用していただくと体から熱が逃げにくくなります」(H.I.S.)
④使い捨てカイロ 寒さ対策以外にカメラ用に。
「寒いところでは電池の消耗が激しくなります。ホッカイロで温めるという裏技もあります」(H.I.S.)
⑤デジカメの予備電池
 そのほか、「雪の上に座ったり寝ながらオーロラ観賞をするのにマットを用意されたお客様がいらっしゃいました。ある程度厚みのある方が良いかもしれません。また、マフラーや厚手ソックス、防寒用下着も重宝します。宿泊先で小腹が空いた時に備え、インスタントのスープ等を用意された方もいらっしゃいました」(スカイランド) という。

 

現地でのアクティビティ

 昼間は犬ぞり体験(操縦)やスノーモービルツアー、アイスフィッシング、かんじき・スノーシューなどのアクティビティ、 オプショナルツアーを楽しむことができる。    

 

*取材協力いただいた旅行会社からのメッセージ

・IACE Travel
「毎年、冬の旅行先といえば、オーロラ旅行が一番人気です!冬景色で見るオーロラは何ともいえない感動があります。ご予算・ご希望に合わせてベストなご提案をさせていただいておりますので、ぜひ、感動のオーロラをお楽しみください」
Tel 1-866-987-4223 
http://www.iace-canada.com/

・H.I.S. Canada
「弊社のイエローナイフツアーではオーロラビレッジにてオーロラを観賞していただきます。オーロラ観賞のための施設や設備が充実しており、オーロラを待っている間はティーピーと呼ばれる先住民の伝統を感じる温かいテントで過ごしていただきます。ティーピーをバックに撮るオーロラの写真は雰囲気満点です。
 また現在、2017年カナダ建国150周年を記念し、H.I.S.特別企画で2名様以上のお申込みでイエローナイフ市内観光が半額になります!
 ホワイトホースは大自然の中に観賞施設があり、そちらでオーロラの出現を待ちます。施設では温かい飲み物などを用意しておりますので、オーロラ出現までゆっくり過ごしていただけます。
 また、弊社でホワイトホースのオーロラツアーを申し込むとユーコンビールをプレゼント!」
Tel 604-685-3524  
www.his-canada.com

・JTB International
Jステーション 「35日前早割5%オフを実施中です」
Tel 604-683-3167 
www.jtb.ca

・スカイランド・トラベル
「弊社のオーロラツアー基本料金には滞在中の防寒具も含まれておりますので、最少のお荷物でご参加いただけます。毎晩の夜食もご用意しております。
 また、1月15日までのお申込みには期間限定の特別価格でご案内しております。
 防寒対策や写真撮影のコツ、現地のレストラン情報等もお気軽にお問い合せください。弊社の知識豊富なスタッフがお客様の思い出作りをお手伝いさせていただきます」
Tel 604-685-6868  
www.skyland.ca

(五十音順)

(取材 西川 桂子)

 

極寒の気候ではバナナで釘が打てる!(写真提供 オーロラビレッジ) 

 

moose skin boat :先住民の暮らしが分かる展示も(撮影:Bill Braden/PWNHC.) 

 

犬ぞり体験:「定番ではありますが、その土地の先住民族が使用してきた伝統的な交通手段を、肌で体験できるチャンスなのでぜひ体験してみていただきたいです」(IACE) 「一番人気は犬ぞり体験です。力持ちのハスキー犬たちに牽かれ、アップダウンやカーブなど趣向を凝らしたトレイルを15分〜20分かけて回ります。なかなかの迫力です」(H.I.S.) (写真提供 オーロラビレッジ) 

 

アイスフィッシングも人気のアクティビティのひとつだ(写真提供 オーロラビレッジ) 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。