■注目したい日本人パフォーマーたち!

「スタイルに束縛されない音楽を」
Satoko Fujii MA-DO Quartet
With: Natsuki Tamura (trumpet), Norikatsu Koreyasu (bass), Akira Horikoshi (drums)
バンクーバー・ジャズ・フェスティバルを含め、バンクーバーには過去に何度も公演に訪れているピアニスト兼作曲家の藤井郷子さん。今回は、4人のユニットで結成されたMA-DO(窓)の北米ツアー最終日に、ユニットとして初のバンクーバー公演が可能となった。日本、ヨーロッパ、北米、オーストラリアと国内外で活発に活動しているだけに、その熟練したバンドサウンドを聞ける絶好のチャンスだ。
演奏曲はすべてオリジナル。フェスティバルを前に本紙の取材に「バンクーバーは私達のような音楽を演奏しているミュージシャンがたくさんいるメッカでもあります。その分、聴衆も深い理解をしてくれて、演奏家にとってはとても気持ちよく演奏させてくれる貴重な街でもあります。今回、新しいユニットを紹介できる事をとてもうれしく思っています」と話してくれた。

6月29日(水)午後7時、9時
ラウンドハウス・コミュニティーセンター

 

エネルギーに満ち溢れたジャズロック
Kazutoki Umezu KIKI BAND

サックス奏者の梅津和時氏が立ち上げたキキバンド。ベースの早川岳晴、ギターの鬼怒無月、ドラムのジョー・トランプの4人によるパフォーマンスは、聴く人を唖然とさせる圧倒的な力を感じさせる。「アヴァンギャルド、フリーキー、プログレッシヴ、ポップ」と表現されるように、まさに新感覚のジャズロック。オフィシャルページの紹介文に「聴く者の度肝を抜き魂を奪う」とあるだけに、その迫力を体験してみたい。

7月3日(日)午後5時15分
デイビッド・ラム・パークステージ

 

天使のような声の持ち主
Kazu Makino 率いるBLONDE READHEAD

ボーカルの日本人女性カズ・マキノさんとイタリア生まれの双子パーチェ兄弟(アメデオとシモーネ)から成るニューヨーク拠点のロックバンド。マキノさんの柔らかく包み込むような声に日本は言うまでもなくアメリカやヨーロッパでも根強い人気が!完成度の高いライブは芸術的とも賞賛されるほどで、今回の公演でも期待大だ。

6月25日(土)午後9時
THE VOGUE THEATRE

 

■ジャズフェスティバルの見所

Jazz at Lincoln Center Orchestra with Wynton Marsalis

The Chicago Tribuneが「世界で最大のジャズ合同合奏」と絶する期待度の高いビッグ・バンド。バンドを結成する15人の演奏家のなかには、9回連続グラミー賞優勝者トランペット奏者のWynton Marsalisも参加し、彼の美しいトランペットが聴けるチャンスともなるだろう。ジャズ通には絶対見逃せないバンドのひとつだ。

6月26日(日)午後8時
The Orpheum

 

PACO DE LUCIA & BAND

生きた伝説のフラメンコギター奏者Paco de Luciaも今回のフェスティバルでかなりの注目を浴びている。世界ツアーや映画などのサウンドトラックにも頻繁に使用されているので読者のなかでも知っている人が多いことだろう。彼のギターは間違いなく、会場を光から闇へ、激情から安らぎへと導き、聴く人の魂に訴える強い演奏が期待されることだろう。

7月3日(日)午後8時
The Orpheum

 

■O'Doul's Restaurant&Bar

ジャズフェスティバルのスポンサーホテルであり、Late Night Jam Sessionの公式指定場所となっているO’Doul’s。毎晩ライブジャズが流れている本レストランも今年で10周年を迎える。毎年、期間中の目玉ともなっており、いつ、誰が現れるかわからないところが楽しみの一つだ。過去には、ジョンさんの一押しするJazz at Lincoln Center Orchestra や Wynton Marsalisといった大物ミュージシャンが突然現れ、ジャズファンを驚かせたことも。さて今年は誰が現れてくれることか?!

 

■ジャズ初心者の楽しみ方

ジャズに関しては初心者でどのバンドを見れば・・・という人も多いだろう。そんな人のためにジョンさんは『Hopper Pass』の購入を薦める。125ドルのこのパスは、期間中に60件までの有料コンサートを楽しむことを可能にする。様々なジャンルのコンサートに参加することで、新しいバンドや演奏家たちと出会い、自分のテイストにあったパフォーマーが見つかるのでは!? また125ドルはちょっと厳しいというひとには、無料コンサートも。100件以上行われているので、それを狙って色んな演奏を聴いてみるのもいいだろう。

 

■ミニ知識

  1. カナダを含め世界中からのパフォーマー数約1800人
  2. コンサート数約400回
  3. 無料コンサート数約150回。そのなかでも6月25日~26日のオープニング・ウィーケンド(ガスタウン)7月1日のカナダデー(グランビルアイランド)7月2日~3日のクロージング・ウィーケンド(ラウンドハウスコミュニティーセンターとデイビット・ラム・パーク)は注目したい。

■チケット購入方法やその他お得なパスまたスケジュール等の詳細はウェブを参照のこと。http://www.coastaljazz.ca

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。