グラウスマウンテン

冬はスキー、スノーボード、スノーシューなどのウィンタースポーツで賑わうグラウスマウンテン（標高1224メートル）だが、これから夏にかけてはやはりグラウス・グラインドだろう。全長2.9キロ、標高差853メートルの山を汗だくになりゼーゼー言いながら（そして挑戦してしまったことを何度も後悔しながら）一直線に登りきるといったもの。だが登りきったあとには何とも言えない達成感と、バンクーバーの見事な景色が堪能できる。（そして不思議なことにまた挑戦したくなる！）カナダ本場アウトドアを体験したいひとには是非お勧めのアクティビティーのひとつだ。ちなみに最高記録は男25分01秒、女31分04秒。
登るのはちょっと・・・というひともゴンドラに乗ればあっという間に頂上へ。頂上にはカフェテリアやギフトショップがありコーヒー片手にバンクーバーの眺めを一望するのも悪くない。また自然動物保護区ではハイイログマたちが戯れているのが観察できたり、木こりショーやパラグライディング（要予約）など、様々なアクティビティーが毎日準備されているので、小さな子供から大人まで楽しめるだろう。

キャピラノ・サスペンション・ブリッジ

グラウスマウンテンの少し手前にあるキャピラノ吊り橋。年中、観光バスがずらりと並び、日本から来るゲストたちも声を揃えて行きたがる観光スポットのひとつ。高さ70メートル、長さ137メートルの世界一の長さを誇る歩行者用吊り橋は、歩くたびにグラグラと揺れる。下を覗くとぞっとする高さなだけにスリルも満点。吊り橋の向こう側にはトレイルがあり、美しい森のなかを探索できる。またＢＣ州住民のために、大人の一日料金＄32.95で年間メンバーシップがゲットできるようにもなっている。このメンバーシップにはその他の得点もついているのでお得。 またリンバリーにあるリン・キャニオン・パークでも同様、世界一の長さまではいかないが、迫力満点のつり橋があり森林浴も楽しめる。こちらはすべて無料。あまり観光化していないこともあり、週末はローカルの家族連れで賑わう隠れスポットである。

メイプルウッドファーム

バンクーバーとノースバンクーバーを結ぶセカンド・ナロー・ブリッジを下降し、車で約5分のところにあるメイプルウッドファームは子供に人気のペッティング・ファーム。羊やヤギ、牛に豚、鶏に七面鳥など、5エーカーの農場には様々な動物が生息する。メインアトラクションの『ヤギの丘』には囲いの中に40匹ほどのヤギ（たまに羊も）がおり、大人に連れられた小さな子供たちが嬉しそうにヤギたちと戯れる様子がみられる。またウサギ小屋では、餌をあげたり、やさしくなでたりなど、動物との接し方を教えている親の姿が目立つ。地面が動物の糞で濡れていることが多いので、親子共に汚れてもいい格好で来るのが望ましいだろう。特に、水たまりに目がない小さな子供たちには長靴を履かせておくと便利かもしれない。

ロンズデール・キー・マーケットとその周辺

ノースバンに来たなら一度は訪問したいロンズデールキーマーケット。キーの愛称で知られるマーケットはグランビルアイランドほど観光化していないもの、週末は噴水前でパフォーマーやファーマーズマーケット（毎土曜日10am-3pm）などで賑やかだ。1階は世界中の料理が楽しめるフードコートに、ヨーロピアン・デリ、スイーツショップ、シーフードショップなど、歩いて見るだけでも面白い店が並ぶ。2階は雑貨屋、洋服屋、お茶屋、またKid’s Alleyには子供が遊べるボールルームや、子供服にオモチャ屋など所狭しと並ぶ。

キーに来たならやはり一階にある人気のスープショップSoup Meisterに寄って見たい。無添加・無着色の自然原料のみにこだわる日替わりスープは4種類から選べ、25年のシェフ暦を誇るラルフ・ダウンズ氏の腕前を拝見できる。また2階のBlue Teapotではデザート感覚で楽しめるルイボス・チョコ・ミントティーやチョコ・ロコといったユニークなお茶からアールグレイ、緑茶などベーシックなお茶まで、お値打ち価格で販売しているのが嬉しい。

キーを堪能した後は、ローワーロンズデール、アッパーロンズデールと歩いて観光するのもいいだろう。ローワーロンズデールの中心地はキーから3rdまで北へ4ブロックの範囲。ローカル気分を味わってみたいなら、ボリューム満天のカナディアン・ブランチを提供してくれるMoodyvillesやドイツ家庭料理のJagerhof Schnitzel Houseがお勧め。また新鮮なフルーツと野菜が入ったスムージーをべーガンカフェBuddha-full Juice and Smoothesで楽しむのものいいだろう。 また忘れてはいけない！ローワーロンズデールといえばセカンドハンド・ショップ（中古品販売店）。おしゃれなアクセやバッグ、またアンティーク物など、意外な掘り出し物に出くわすかもしれない。

イラン系のお店が集中するアッパーロンズデールは13thから始まる。最初に立ち寄りたいのはやはりAyoub’s Dried fruits and Nutsだろう。毎日ローストするというピスタチオやアーモンド、またレモンとサフランの利いたカシューナッツは舌鼓。量り売りなので、探索時のスナックに最適だ。ここまで来たのだから、イラン系ベーカリーにも寄ってみたい。山盛りになった数十種類のクッキーや一口サイズのケーキがどれも美味しそうで目移りしそうになるが、量り売りなので興味のあるものすべてに挑戦できる。この周辺には各ブロックに一件の割合でベーカリーがあるが、「気前のいいペイストリーシェフのおじさん」で親しまれているHilton Pastryでは、いつ寄っても親切に各スイーツについて説明してくれるのが嬉しい。ボミエ（蜂蜜をからめた揚げドーナツ）やジルビア（サフランと小麦粉で練って揚げたお菓子）その他ひよこ豆とジンジャーを使用したヘルシークッキーなど、新食文化を体験してみたい。また気軽にイラン料理が楽しめるのがYaas Bazaarだ。店内はスイーツ、食料品、カフェテリアに別れており、ランチ時には日替わりランチスペシャルもある。

エッジモントビレッジ

山の麓に清閑に佇むエッジモントビレッジ。3ブロックほどのほんの小さな村だが、ライオンズやグラウスマウンテンを背景にしているせいか、あるいは空気が澄んでいるせいか、ここに来るたびにバケーションに来た気分にさせられる。肉屋、魚屋、雑貨屋と、質にこだわる小さな専門店が多いため、大型ショッピングセンターの喧騒から離れ、落ち着いた気分でシッピングしたいときに訪問したい。買い物にひと段落ついたら、カフェに入って休憩するのもいいだろう。ここではちょっとしたスローな時間が楽しめるだろう。

デープコーブ

ノースバンクーバーの東端にある小さな町デープ・コーブ。入り江に沿ってこじんまりとした波止場に、緑がいっぱいのウォーターフロント、夏にはカヌーやカヤックを楽しむ人々の姿で賑やかになる。またQuarry Rockと知られる大きな岩を目的地にする3.8キロのハイキングコース（難易度：ビギナー）は、インディアンアームやベルカラ周辺の山々を一望でき、絶景として有名。（ハイキングコースの詳細については下のウェブサイトを参照）またディープコーブの中心地は、ウォーターフロントから歩いて5分の2ブロックほどの小さなエリアだが、カフェやレストランが充実している。ここに来たからは話題のHoney Doughnuts & Goodiesのハニードーナツも食べておきたい。外国から来る観光客にとっては意外と穴場的な場所だろう。

クイーンズバリー

ローカルご用達のほんの小さな1ブロック。ここには毎日モチモチした美味しいベーグルを焼いているMount Royal Bagel Factory が。そしてそのお隣にはイギリス人がこよなく愛するThe British Butcher Shoppe。ここのステーキパイとソーセージ、チキンフィンガーは絶品。質・質・質にこだわる両ショップは、疲れて料理ができない日には、大活躍してくれるだろう。

交通機関

トランスリンクのウェブサイトのメインページにある『Trip Planner』を使用すれば、出発場所から目的地までの行き方や料金、また時刻表などが簡単に見つかるので是非利用してみよう。

http://www.translink.bc.ca/
（取材　小林昌子）