ラクロスというスポーツをご存知だろうか?クロスと呼ばれる先に網の付いたスティックを用いて、直径6cm・重さ150gの硬質ゴム製のボールを奪い合い、相手陣のゴールに入れることで得点を競う球技。日本でラクロスの全日本選手権出場選手だった吉澤明子(よしざわあきこ)さんは渡加してケローナに住むようになって十年経った。

 

どのような経過でカナダへ来ましたか?
1985年に大学を卒業して東京で金融業界に就職しました。外国為替の仕事をしておりましたが、1989年にワーキング・ホリデーでオーストラリアへ渡りました。シドニーでは金融業、観光業に携わり、2年後に永住権を取得しました。東京で知り合った夫と1995年に結婚し、シドニーでは観光業に携わりながら3人の子どもを出産しました。私も夫も現地に親・兄弟がいる訳でもなく、自分たちの子どもたちが祖父母、叔父叔母とのふれあいができないことが理由の一つとなり、2001年に夫の両親の住むケローナへ引越し、翌年4人目を出産しました。

どのようなお仕事をしてきましたか?
ここケローナでは、4人の子供の育児、主婦業をしながら2003年に日本食レストラン「大関」でパートタイムのウエイトレスとして働き始めました。そして、2006年にケローナで知り合った友達と3人で留学エージェント「Go Canada Homestay」を設立しビジネスをする傍ら、一番下の娘が小学校一年生に上がる2008年にケローナ空港でエアポート・セキュリティーの仕事に携わり始めました。

 

現在のお仕事は?v
エアポート・セキュリティーの仕事はフルタイム契約で入社しました。週5日、午前4時から始まるので朝2時半起きの毎日でした。現在は週3日、1日10時間勤務のパートタイムで働いています。航空会社と共にお客様の安全を守る仕事なので、毎日何百人という人に接します。緊張感、責任感、プレッシャーを感じることもありますが、それゆえに飛行機に乗るお客様の安全を守る第一線としてのやりがいも感じています。ゲート(セキュリティー)エリアへは搭乗券がないと(例外を除く)入れませんので、まずは正当な搭乗券を持っているかの確認、預け荷物の検査などもあります。私が主に行っているのは、ゲートへ行く搭乗者の手荷物のX検査、身体検査と必要であれば手荷物又は身体の第二次検査も行います。エアポート・セキュリティーはどうしても硬く厳しいイメージがありますが、私は今までの経験で養ってきたカスタマーサービス精神をモットーにしています。
留学エージェントのGo Canada Homestayは6年目を迎えて徐々に軌道に乗ってきました。以前は、知り合いのつてでご連絡があることが多かったのですが、お蔭様で最近はHP 経由での照会が増えてきて嬉しいです。

四児の母としてどのように仕事を続けていますか?
仕事に加え、育児、家事、週2回の空手のトレーニング、コミュニティー・センターで親子初心者空手クラスで教えるなど、一日48時間あったらいいなーと思うことがたびたびありました。私がここまでやってこられたのは、夫の大なる協力と理解、そして、子どもたちのヘルプがあったからと家族に感謝しています。気がつくと4人の子供たちは、16・14・13・10才と成長していました。

仕事の他にはどのような活動をしていますか?
趣味の空手は、大学の体育会(松濤館)空手部時代から22年間のブランクがありましたが、2006年から市内にあるクラブに週2回行っています。仕事の後、翌日仕事の日も昼寝をし、夜9時過ぎまで殆ど欠かさずにトレーニングを行いました。日本での経験もあり2011年に初段を取得し、バンクーバーで行われるプロビンシャル・チャンピオンシップにここ数年毎年参加しています。
日本で金融業に務めていた時代に箏曲部で習っていたことがあるので、山田流のお琴を再開しました。数年前市内の催しで簡単な曲を弾いたのがきっかけで、暇がある時に少しづつお琴に触れるようになりました。今年の夏に大学で行われる催しでも演奏予定ですので、それに向けてこれから少しずつ練習します。

 

これからの抱負は?
人生のハーフ・センチュリーを迎えるこの年に取材のお話を頂きました。こうして自分の人生を振り返り文章にしてみて、「これからもうひと頑張りしよう!」という気持ちになりました。根っからの行動派で、じっとしているより動いてる方が好き。この歳になったからこそ、これからも自分をプッシュしていきたいです。

 

プロフィール:
リエ・オブスト。埼玉県出身。大学卒業後は金融業界へ。1989年にワーキング・ホリデーでオーストラリアへ渡る。2001年にケローナへ移住。現在は四児の母としてケローナ空港でエアポート・セキュリティー、留学エージェントGo Canada Homestayの運営に携わる傍ら松濤館空手を教えたり筝曲の出演をしたりしている。

 

2013年4月18日 16号掲載

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。