〜中庸に、ほどほどに、真ん中を〜大好きな詩、創作活動を楽しむ

高山 宙丸(たかやまそらまる)さん

 

詩と音楽のコラボ、 朗読パフォーマンスをする高山さん

 

カナダに来たのはいつですか?その理由は?

 2011年の9月にワーキングホリデービザで来ました。その前はオーストラリアやニュージーランドでワーホリしていたのですが、2009年にベジタリアンになったこともあり、ベジタリアン・フレンドリーと言われるバンクーバーに行くことにしたんです。

 

日本ではどんなことをしていましたか?

 東京の大学で文学や哲学を学んだ後、結婚して松本にある実家に戻り、学習塾で働いていました。雇われの身でしたが経営まで任されて、3年間勤めました。

 

カナダに来てからは?

 オーガニックライブスというオーガニック・ロービーガンのお店で働いて、そこでサポートしてもらい永住権を得ました。このお店が火事で閉店してしまった後は、ゴリラフードという同様のお店で仕事をしていました。また、僕は自作の詩を発表するポエム会を毎月開催しているのですが、うちの奥さんがおいしいプリンを作り始めて、それをポエム会で出したところ大好評で、ファーマーズマーケットに出展したいねなどと言っていました。そんななか、去年の末にゴリラフードが閉店することになり、その場所を使って今年の1月下旬からプリン販売を始めることになりました。

 

場所はどこですか?どんなプリンでしょうか?

 ダウンタウンのリチャードストリートとペンダーストリートの角の北側にあります。小さなスペースですが、プリンを手作りして、小窓からテイクアウトの販売をするお店です。プリンは卵や乳製品を使わない純植物性でオーガニックのプリンです。奥さんが作って、僕が売っています。経営も僕ですが、 学習塾で働いていた時の経験が役立っていると思います。

 

詩はいつから始めましたか?どんな詩ですか?

 高校生の頃から書いています。学習塾に勤めた後、インドをはじめアジアの国々を旅したのですが、旅行中も詩を書いて出会った人に渡したりしていました。詩の内容は、短いフレーズのものから、おとぎ話的なもの、ストーリーがあって一人芝居のようなものまでいろいろあります。パントマイムアーティストとコラボして詩とパントマイムのパフォーマンスをしたり、ウクレレを弾きながら詩を朗読といったイベントもしています。そして、主催しているポエム会ではいつもおいしいものが出てきます(笑)。

 

なぜ詩を書いたりポエム会をすることになったのですか?

 日本で友だちに会った時思ったんです。昔からの友だちが皆成長して成功したりしているなか、自分には何ができるかなと。そこで自分は詩人でやっていこうと思いました。僕にとっては詩が唯一の表現方法で、例えば音楽などは良い悪いが分からないのですが、詩ならば自信を持って「こうだ!」と判断できるので。

 

これからの予定はありますか?

 今後もいろいろなポエム会や詩のイベントをしたいと思っています。作曲家とのイベントや、ヨガなども。また、今度谷川俊太郎さんとのコラボイベントもする予定で、楽しみです!ポエム会やイベントなどは、お客さんがあってこそのもの、見て楽しんでもらってこそのものなので、何が求められているかを意識していますし、喜んでもらえるものを作っていきたいです。大好きな詩、創作活動をこれからも続けていきます。

 

これまで海外暮らしで大変なことはありましたか?

 やはり海外で仕事をする上で、こっちの人ややり方に慣れるのには苦労しました。日本に比べると、自分は自分、人のことは知らない、自己責任という考え方が強いので。また、アジア人への差別を感じることもありました。でも、いい人や親切な人にもたくさん出会いましたし、今ではそれも乗り越えて、力を抜いてゆるくやっていけるようになりました。

 

ワーキングホリデーや留学をする人に何かメッセージはありますか?

 ほどほどに真ん中を行くのがいいのでは?と思います。流れにそって、中庸に。僕自身、流れにそって、「来るものは拒まず、去るものは追わず」でやっていこうと意識しています。その方がうまく進んでいく感じがしますね。

 大好きなことに精力的に取り組み、そこから出会いや可能性を広げて、新しいことに挑戦している宙丸さん。海外暮らしでいろいろ苦労したことをバネに、今は 流れにそって中庸に生き、好きなことを仕事にしていて、とても楽しそうだ。見ている方も元気をもらって頑張れそう。これからどんな活動やイベントを展開していくのか、要注目!

 

宙丸さんのフェイスブック (※ポエム会やプリン屋さんへのリンクもあり)

https://www.facebook.com/soramaru.takayama

 

(取材 A.K.)

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。