カナダに来たきっかけ、その後の経緯は?
私たちは、1999年の年末に剛士が勤務する中目黒にあるレストランでスタッフと常連客という形で出会いました。剛士から「カナダでスノーボードしよう!」と提案された時に山形育ちの私は幼少の頃に熱中していたスキーの楽しさを思い出し、会社を辞めて、カナダで一年間過ごす予定でバンフにやって来ました。

 

ワーキングホリデーで渡加してからお互いに運よく日本食レストランで働くことができ、スノーボードも楽しんでいました。ワーキングホリデー後は帰国し、それぞれ渡加前にいた業界で働くつもりでしたが、カナダで生活を続けて行く事になりました。バンフで生活していた7年間の間に入籍し、移民権を取得しました。

 

現在のお仕事は?
カナダに来てからほぼ毎年、オカナガン地方に遊びに来ていたのでケロウナの町は知っていました。ここに越そうと決めたきっかけは、オカナガン地域が気に入っていたこともありますが、年々成長しているケロウナはビジネスをスタートさせるのに適していると考えたからです。
小さいながらも念願だった自分たちのレストラン、『SOY エイジアン・フュージョン・レストラン』を開店することができたのは、約2年間の準備期間を経た2011年2月のことでした。自分たちにとっては、ケロウナはまだ慣れていない土地なので知り合いもほとんどいない。その上、初めての起業で分からないことだらけの自分たちが、限られた予算の中で、ビルの一角を借り、キッチン設備をプランニングし、様々なラインセンスをクリアしたのです。このレストランをオープンできた、今でも奇跡に近いとさえ感じます。そして、この2月でオープン2周年を迎えることができました。

 

現在のお仕事以外の趣味などは?
剛士は無類のスポーツ観戦好きです。一方、私はあまり予備知識はありませんが、隣で剛士が色々と解説してくれるので、楽しくスポーツ観戦しています。カナダに来てからいろいろなレジャーが好きになりました。また、レストランへ出かけて美味しいものを食べること、そして、新鮮な地元素材を活かして料理をすることです。

 

これからの抱負は?
まずはSOYエイジアン・フュージョン・レストランでおいしい料理を提供し続けること。そして、この店を色々な意味で成長させていくことです。自分たちに関しては、『謙虚であり続けたいが、チャレンジできることはしていくこと』そして、『健康を保ち感謝の心を忘れないこと』です。BC州のプログラム「Healthy Family BC」が推進する「Informed Dining」に、オカナガン地区のレストランとして、初めて承認されました。Web: www.informeddining.ca 現在、栄養アナリストの方と一緒に当店のレギュラー・メニューの栄養分析を行っているところです。今後、この分析結果を店内及び各メニュー欄に告知し、お客様がより健康的な食生活を実践するお手伝いができればと考えています。

 

チャレンジ精神で前向きにお店を切り盛りする朋さんと、ひたむきに料理を作る剛士さん。お二人のこれからが楽しみである。

 

(取材 北風 かんな)

 

 

いしざかたけし:東京都渋谷区出身。エコール・キュリネール国立(現・エコール 辻 東京)フランス料理科卒業後、東京でシェフとして働く。2001年にワーキング・ホリデーで渡加し、バンフやキャンモアのレストランに勤務。2009年にケロウナに移り、ゴルフ場のレストランの厨房を務めた後、2011年2月にSOYをオープンする。

 

いしざかとも:山形県庄内地方出身。日本ジャーナリスト専門学校編集者専攻科卒業後、新聞社、出版社や広告会社で、撮影業務、制作進行、企画運営などに携わる。2001年にワーキングホリデーで渡加し、翌年よりビデオ・プロダクションに勤務。2009年にケロウナに移り、約2年間の準備期間を経て2011年2月にSOYをオープンする。

 

SOY Asian Fusion Restaurant
101-2900 Pandosy St. Kelowna
Phone (778) 478-0458
最新情報はフェイスブックhttps://www.facebook.com/
SOY Asian Fusion Restaurantのページにて。

 

2013年5月16日 20号掲載

読者の皆様へ

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