3回目の開催となる「子供すし教室」。回を重ねるごとに参加者の数も増えて今回は定員の24名を上回る応募があり、応募者の中にはリピーターもいて、人気の高さがうかがえる。講師のタカさんこと近江隆之さんは、大人向けの寿司教室を開いたりケータリングビジネスを展開するほか、ダウンタウンにあるフェアモントパシフィックリムホテル内のレストランでシェフとして働いている。今回、そのレストランなどから3人のヘルパーが参加し子供たちの手伝いをした。

参加者はまず手をきれいに洗ってスタンバイ。エプロンを持参したり中には三角巾をつけた子もいた。初めに作ったのはかっぱ巻きとダイナマイトロール。タカさんがデモンストレーションをする時には、子供たちが取り囲み説明を聞きながらその手つきを熱心に見ている。巻物は手で巻いた後、巻きすを使って上から軽く押さえ四角に形作った。タカさんの丁寧な指導はいろいろなコツを伝授してくれるので、どの子もきれいに仕上げて満足そうだ。他のものを作っている間に最初に作ったものが乾いてしまわないように、トレイに載せたらラップをかけておくなど細かな気遣いも見られる。
続いては握り寿司で、いなり、卵、エビサラダ軍艦、サーモンサラダ軍艦を作る。子供たちを見ているとあっという間に作ってしまう子や、慎重に取りかかる子など様々だ。しかし共通しているのは、一生懸命取り組んでいるきらきらした目と、出来上がったときのうれしそうな笑顔。最後に巻物を切り分けるが、これはナイフの取り扱いが危険なので大人が担当した。そして子供たちがトレイの上に出来上がった寿司を盛り付けて完成。盛り付け方にも子供たちの性格が出るようで興味深い。お寿司はテイクアウト用パッケージに入れ直して持ち帰ることができた。

近江隆之さんに今回の感想を尋ねると「毎回たくさんの子供が参加してくれてうれしいです。東日本大震災への義援金として寄付できるのも参加者のみなさんのご協力あってのことです。僕自身お寿司が大好きですし、日本の代表的な食文化としてのお寿司を子供たちにもっと知ってもらいたいと思っています。子供と触れ合うのもとても楽しく、次回の開催も楽しみにしています」と語ってくれた。次回は来年の初めか春ごろに開催予定だそうだ。

(取材:大島多紀子)

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