2020年3月5日 第10号

 2月23日、ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市のバンクーバー日本語学校並びに日系人会館で、JALTA日本語教育振興会主催の第22回お話発表会が開かれた。BC州内の日本語学校より選抜された28人の生徒たちが好きなものや将来の夢、日本とカナダでの思い出などを日本語で発表した。楽しい話や面白い話には笑い声が、真面目な話には感嘆の声が上がるなど、会場は終始和やかな雰囲気。思い思いの言葉を綴り、暗記し、そして発表した参加者たちに、観客から温かい拍手が送られた(メディアスポンサー:バンクーバー新報)。

 

最後は参加者全員で記念撮影

 

 開会の挨拶でJALTA副会長の本間真理さんは、「いつもと同じようにゆっくり大きな声で発表し、今日という日を楽しんでください。上手くいっても、上手くいかなかったとしても、今日の経験はきっと将来に役に立ちます」と生徒たちを元気づけた。

 発表前の来賓挨拶では、羽鳥隆在バンクーバー日本国総領事が、「今日は皆さんのお話をすごく楽しみにしてきました。日本語のレベルも気になるが、それよりも中身を楽しみにしています。いろんな話を聞くことができればと思います」と期待を述べた。

 28人の生徒による発表は、どれも個性あふれる素晴らしいものだった。小学校低学年の生徒たちは主に、自分の好きな物、日常生活での出来事や思い出について発表した。どこか初々しくも一生懸命発表する様子は、観客から自然と笑みがこぼれるようなかわいらしいものだった。中には緊張して言葉に詰まる子もいたが、それでも最後までやり切る姿は立派であった。学年が上がるにつれて、微笑ましさの中にも内容の深みが増していった。物事を独自の視点で切り取り、研究、考察された話には、聴衆も引き込まれていた。また、聴いている人に疑問文で語り掛けたり、映画の言葉を引用したりと、大人顔負けのテクニックも光った。

 閉会の挨拶は、JALTA会長のベイリー智子さんによって行われた。「素晴らしい発表でした。皆さんのこと、たくさん教えてもらいました。新しいことも勉強できました。ありがとうございました」と生徒たちをたたえた。また、「皆さんは今日、山の頂上にたどり着きました。これから苦しいこともたくさん起こると思いますが、最後までやり切った今の気持ちを忘れずに一歩一歩頑張って下さい。必ずゴールに到着します」と激励の言葉を送った。

 閉会の挨拶後には、劇団「座・だいこん」による演目「おきゃくさま」が上演された。発表を終えた生徒たちからも笑い声が起こるなど、会場を大いに盛り上げた。最後は参加者全員で記念撮影を行い、発表会は終了した。日本語を勉強して日本について学んだり、一方で日本語話者にカナダのことを伝えたりと、言語を通して様々な文化交流が増えることを期待したい。

(取材 Koki Mizuta)

 

開会の挨拶にて「今日という日を楽しんで下さい」本間JALTA副会長

 

「皆さんの発表を楽しみにしていました」来賓挨拶を務めた羽鳥在バンクーバー日本国総領事

 

閉会の挨拶にて「今の気持ちを忘れず、一歩一歩頑張って下さい」ベイリーJALTA会長

 

 

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