2018年4月19日 第16号

5月12日、トモエアーツが日本舞踊コンサート『由子会』(メディアスポンサー:バンクーバー新報)を開催する。トモエアーツの芸術監督コリーン・ランキ(芸名は藤間左由)さんが、2003年に亡くなった師匠の藤間流師範・藤間由子さんの人生を称えるために企画したもので、日本人舞踊名手とカナダ人パフォーマーが出演する。公演に先立ち、藤間章吾さんと藤間美奈子さんに話を聞いた。

 

故・藤間由子さん、最後のパフォーマンス(写真提供/トモエアーツ)

 

藤間章吾さん

 カナダ訪問は3回めになります。トモエアーツ主催で2010年の『踊り:歌舞伎舞踊の世界』および2012年の『三味線と踊り』に参加しました。客席から熱意とパワーをいただき、とても気持ちよく踊れたのを覚えています。

 今回は能楽の『八島』を荻江節の曲にして、日本舞踊の素踊りという上演方法で演じます。前場では屋島の浦ののどかな景色を背景に古戦場の哀愁や漁翁(むらぎみ)の懐かしい昔話、後場では一転して現実の戦場の様子を見せるものです。今公演の3曲はそれぞれ風合いが違いますので、そこを楽しんでいただけたらと思います。

 由子先生は流儀の大先輩です。私どもの発表会にご出演いただき、終演後まだ衣装をお召しになったまま「じゃあお先に、ビデオ送ってね」と、とても上機嫌でお帰りになりました。が、楽屋口でお倒れになり、救急車で病院に。翌日お見舞いにと思っていたところ「先程亡くなりました」と知らせが入りました。由子先生は急に現れ、いろいろなことを教えていただき、急にいなくなってしまいました。まるで、能楽の後シテのように。

 

藤間美奈子さん

 由子先生と私の母が大親友で、3才くらいから日本舞踊と地唄舞(じうたまい)を習っていました。小さい時から着物と歌舞伎が大好きです。

 コリーンさんとは、由子先生のお稽古場で出会いました。とても熱心で、尊敬しています。今回初めてカナダに行きます。

 今回踊る地唄舞『鐘が岬(かねがみさき)』は17才の時に習い、舞台では4回踊っています。由子先生に習った初めての地唄舞なので、この曲を選びました。安珍清姫(あんちんきよひめ)の物語、道成寺(どうじょうじ)が基本になっていて、清姫が恋した安珍がお寺の鐘の中に逃げて隠れているのを、蛇に化身して鐘に巻きつくという情熱的な女性の物語で、優雅な桜の情景の中で踊りながらも、時折、恨みのポーズがはいります。

 

藤間由子の世界へ

 「美奈子さんは私の先輩にあたります。女役を美しく踊るその姿は、由子先生を思い出させます。美奈子さんの踊りをカナダの皆さんにご覧いただき、由子先生の感じを披露できたらと思っています」とコリーン・ランキさん。

 ライアン・カロンさんは、2016年に半年間東京で修行した。「章吾先生は言葉の壁を乗り越え、熱心にユーモアを持って指導してくださいました。今回、由子先生の振り付け作品で能楽の『あま(海人/海士)』をコリーンと踊ることになり、とても光栄です」と話している。

 

日本舞踊コンサート『由子会』Yuko-kai

振付家/舞踊家/師範、故・藤間由子を称える夕べ
5月12日(土)8pm
Scotiabank Dance-Centre, 677 Davie St. Vancouver
出演:藤間章吾、藤間美奈子 藤間左由(コリーン・ランキ)、ライアン・カロン
チケット:29ドルより
オンライン購入:ticketstonight.ca  
電話(604) 684-2787
主催:トモエアーツ:tomoearts.org

(取材 ルイーズ阿久沢)

  

藤間章吾。日本舞踊の家に生まれ、幼少より母・藤間章豊に師事。3歳で初舞台を踏み、25歳で藤間章吾の名を許される(写真提供/Trevan Wongさん)

 

藤間美奈子。幼少より藤間由子師に弟子入りし、30年に渡り女舞を極める。女役を踊る姿が故・藤間由子師匠を思わせるという(写真提供/トモエアーツ)

 

 

 

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