2018年4月19日 第16号

世界から選りすぐりの女声合唱団4グループによるコンサート「Tapestry International Celebration of Women's Choirs」が5月4日、5日にバンクーバーで開かれる。主催はバンクーバーで活動する女声合唱団エレクトラ・ウィメンズ ・クワイヤ(Elektra Women's Choir)。招かれたのは、アイスランドからガルザバイル・ウィメンズ ・クワイヤ (Gardabaer Women's Choir)、ロサンゼルスからボックス・フェミナ(VOX Femina)、そして京都のフリシェス・アイ(Frisches Ei)である。4日は4団体それぞれの演奏、5日は4団体の個々の演奏に加えて、全員による合唱が繰り広げられる。

 

「バンクーバーで日本の合唱曲をご紹介できる誇りと幸せ」が声となって響くさまを感じてほしいとフリシェス・アイ(写真提供:Frisches Ei)

 

高いクオリティーを誇る主催のエレクトラ

 本コンサートは女声合唱団の国際交流の機会として、3年に1度エレクトラが出演希望団体を選考の上で開催。エレクトラは31年目を迎える団体で、「ナショナル・コンペティション・フォー・カナディアン・アマチュア・クワイヤーズ」の「女声の部」で最優秀賞(2001年、2017年)を手にしたほか、昨年スペインのバルセロナで開催の合唱シンポジウムに招かれるなど、その実力が高く評価されている。またエレクトラ指揮者のモーナ・エドムンソンさんは、国内外を問わず、若い世代や他の合唱団の養成にも尽力。日本との関わりでは、2015年に大阪で開催された国際合唱コンテストの審査と歌唱指導を経験しており、そこでフリシェス・アイとの出会いがあった。

 

フリシェス・アイ(独語で「新鮮な卵」) — 新鮮な感覚を持ち続けて

 「団員が楽しく歌えるものから難易度の高いものまで取り組み、曲によっては振りも付けますが、みんなそれも楽しんでいます。そして団員個々の生命感のようなものを見られるのが、指揮者としての最大の喜びです」と語る指揮者三浦真理子さんの率いるフリシェス・アイは1998年に「京都市立生祥幼稚園PTA童謡同好会」として発足した。幼稚園閉園を機にPTAから独立し、「フリシェス・アイ」と改称。昨年までに、全日本おかあさんコーラス全国大会に京都府代表として7回出場を果たしている。また、京都大学グリークラブとの交歓演奏会のほか、2016年のロームシアター京都のこけら落としの冠事業イベントなど、各種イベントへの出演の経験がある。

 今回のバンクーバー公演で同団体は、4日に『てぃんさぐぬ花』『さくらさくら』など全7曲を、5日には『エブリワン・サング』を含む3曲を歌うほか、4団体140人全員が三浦さんの指揮で歌集『空の名前』からの1曲『夕焼け』の歌唱を予定している。この曲もエブリワン・サング同様、平和へのメッセージが込められた歌だ。

 三浦さんは本大会出演について「世界的に有名な女声合唱団の皆様との共演は夢のような喜び。私たちは心を一つにして、この喜びを歌に託してお伝えしたい」と語っている。

 

Tapestry International Celebration of Women’s Choirs

Choral Threads
5月4日(金)午後7時半開演
会場:St. John's Shaughnessy Anglican Church 1490 Nanton Avenue, Vancouver, BC
入場無料

Celebration Concert
5月5日(土)午後7時半開演
会場:Christ Church Cathedral 690 Burrard Street, Vancouver, BC
大人$35、シニア$30、学生$15 

(取材 平野香利)

  

これまでに10枚以上のCDも制作してきた Elektra Women's Choir(写真提供:Elektra Women's Choir)

 

「各国の合唱の多様性とグランドフィナーレを飾る140人の大合唱をお楽しみください」とエレクトラの指揮者 Morna Edmundsonさん(写真提供:Elektra Women's Choir)

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。