工藤が先発復帰した。そして復帰初ゴール。上々の滑り出しとなった。チームも工藤復帰は負けなし。ホワイトキャップスが渇望していたエースストライカー復帰と共にチームも上昇気流に乗れそうだ。

 

ゴールを決めて喜びを爆発させる工藤(#9)と共に喜ぶDFパーカー(#26)。監督のハットトリックコメントに嬉しそうに笑っていた。7月16日オーランド・シティSC戦

 

7月13日(22,120)
バンクーバー ホワイトキャップスFC  2 - 0  リアル・ソルトレイク

34分、相手DFのオウンゴールでキャップスが先制。37分にはMFテチェラ(#13)が豪快なミドルシュートを決め2‐0で快勝した。

7月16日(22,120)
バンクーバー ホワイトキャップスFC  2 - 2  オーランド・シティSC

14分にオーランドが先制。しかし35分にMFメスキーダ(#11)がFW工藤(#9)のシュートを弾いたGKのこぼれ球を押し込み同点。43分には工藤の鮮やかなヘッドが決まり逆転した。後半に入り、50分オーランドがカナダ人FWラリン(#9)のゴールで同点に追いつく。その後、オーランドはPKを失敗。同点に終わった。MFカカ(#10)はケガでチームに同行していなかった。

 

復帰初ゴールは豪快なダイビングヘッド

 工藤の名前が高らかに響いた。16日オーランド戦での43分。FKを得たキャップスはMFモラレス(#77)がゴール前にドンピシャのボールを上げると、工藤はヘッドから飛び込んだ。ボールは吸い込まれるようにネット左隅へ。歓声で会場が揺れた。

 ケガから復帰先発した13日のリアル・ソルトレイク戦。70分間のピッチは消化不良に終わった。試合開始前、先発で「工藤」の名前が告げられると会場は大歓声に包まれた。戻ってきたフォワードへの期待がヒシヒシと伝わってきた。交代寸前には、いい形でボールが回ってきたが、放ったシュートは相手GKに止められた。「次からはしっかりと結果を残せるようにがんばります」。そう、ファンに自分に言い聞かせた。ただ「出た試合で結果として勝てたというのは良かったと思います」と前を向いた。

 そして待望の復帰初ゴール。決まったあと喜びを爆発させた。会場は「KUDO」の大合唱。「ゴールを求められて起用されてるんで、今日は最低限の1点を取れたのは良かったのかなって」。それでもチームはリードを守れず同点に。「僕が決めてればっていうところは反省点です」。

 ロビンソン監督は「ハットトリックでもおかしくなかったね」と、工藤の活躍を満面の笑みで喜んだ。ゴール好機で3度放ったシュートは、2度GKの好守に阻まれた。2試合連続の先発ワントップ。監督の期待の大きさが分かる。結果として引き分けたものの、13日よりも16日の方がセットプレーはうまく機能していた。あとは、「勝ちたかったなぁ。自分がしっかりと結果残して、いいものを残せたなって思った時に、勝ちたいなって。前回は勝ちましたけど、消化不良だったので」と笑った。「なんかその辺の比例しないところが、もどかしいですけど。だけど、しっかりとこれを続けていくことが僕自身いいのかなって思ってますね」

 これで工藤が復帰した試合は負けなしの1勝1分け。勝ち点は29となり、順位も5位と1つ上げた。すでに21試合を消化し、折り返し地点も過ぎた。プレーオフ進出に向け、残り13試合。チームは毎年後半で失速する傾向にある。今季はここから上昇気流に乗っていきたい。そのためにも工藤の活躍は必須だ。

 チームは過密スケジュールが続く。それでも本人は「過密日程には慣れてるんで。特に2カ月くらいやってなかったんで、ドンドン試合が来るっていうのは、ほんとに僕が求めてたことなんで、毎試合早く来てほしいなって思います」とやる気十分。7月23日からは、CCL(北中米カリブ海連盟チャンピオンズリーグ)も含め4試合連続アウェー。常にいい準備だけはしておきたい、そうすれば結果は付いてくる。そう語る帰ってきた背番号9が頼もしい。

▶工藤選手の手紙◀
ホワイトキャップスは工藤選手が試合復帰した翌日、工藤選手のファンへの手紙を日英両語で掲載している。 http://www.whitecapsfc.com/post/2016/07/14/their-words-masato-kudo

(取材 三島直美 / 写真 斉藤光一)

 

8月のホームゲーム
12日8pm サンノゼ・アースクエイクス戦
23日7pm スポーティング・カンザスシティ戦(CCL)

 

 

滑り込んでゴールを狙った工藤(#9)。恐怖心とか、不安とかは「特になかった」と語った。7月13日リアル・ソルトレイク戦

 

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