日本と台湾、2カ国の文化が楽しめる春祭りが4月16日にバーナビー市の日系文化センター・博物館で行われた。

 

力強いばちさばきで迫力に満ちた演奏を繰り広げたちび太鼓

 

見て楽しい、聞いて楽しいホールイベント

 ドンドコドン、ドンドコドン...太鼓の音に惹き付けられて、どんどんホール内に人が集まってきた。会のオープニングを盛り立てたのは「ちび太鼓」による力強い演奏だ。続いて台湾の伝統的舞踊グループ「ル・プレジール」が光沢のある衣装で陽気に舞い、会場を華やかに彩った。その後、さくらシンガーズや日本舞踊グループ彩月会、バンクーバーオカリナファミリー、琉球太鼓ほかによるパフォーマンスが繰り広げられた。

 

飲んで食べてのフードベンダー

 「これを食べないと春が来ないんです」という来場者の落合ぎん子さん。手にしていたのは特製さくら弁当だ。ことしも130以上の予約が入ったこの弁当は、すっかり春祭りの定番となった。黄色やピンクの彩りのちらし寿司が春らしい。

 食べ物は、イベントでおなじみのたこ焼きやラーメンなどの屋台のほか、台湾コミュニティから、ココナツジュースなどの出店も。センター前庭は、新緑を楽しみながら飲食する人で賑わっていた。

 

体験型のイベントも各種

 会場2階には、墨絵、折り紙、けん玉ほかの体験ができるキッズコーナーがオープン。また別室では着物の着付けコーナーでボランティアメンバーが大忙しだった。着付けを受けていたクリスタルさんはウェブサイトで着付けコーナーがあると知って予約を入れたそうだ。会場では和服や和風小物の販売もあり、「浴衣を買いたくて」と春祭りに来た人もいた。

 

「古本屋さん」が常設に

 2階の1室がこれから「日系古本屋さん」として毎週水曜日から金曜日に営業となる。春祭りのこの日、そのプレオープンとして古本の販売が行われた。本の寄付も受け付けている。

 

他のコミュニティとのコラボレーションの効果

 民族の多様性を祝う意味もある当イベント。過去には韓国、フィリピン、スカンジナビアのコミュニティとコラボレーションしてきた。日系センターで春祭り担当マネージャーを務める三木玲子さんは、どのコミュニティとコラボができるか、その計画推進が毎年苦労する点だと語る。だが、他のコミュニティを招き入れることで催しの内容に広がりが生まれ、集客にもつながり、さらにカナダ政府からの補助を得やすいという利点もあるという。

 日系コミュニティのよりどころは、他のコミュニティとの交流の場という新しい役割も担い始めている。

(取材 平野 香利)

 

表情豊かに軽やかな舞いを披露した ル・プレジールの皆さん

 

春らしい曲を次々と歌い上げたさくらシンガーズ

 

キッズコーナーで、てるてる坊主作りを体験

 

台湾の紙細工に取り組むコーナーも

 

日本を訪れ着物に惹かれたというクリスタルさん

 

日系センターの2階に「古本屋さん」がオープン

 

台湾製のオーガニックフードを販売するお店も

 

バンクーバーオカリナファミリーのメンバーはオカリナ販売のほか、ステージでの演奏も行った

 

System.String[]

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。