バンクーバー日本語学校並びに日系人会館において2月21日、JALTA日本語教育振興会主催による第18回お話発表会が開催された。 JALTA日本語教育振興会に加盟するバンクーバー近郊の日本語学校から選ばれた29人の生徒たちは、考えてきた文章を暗記して、低学年は2分以内、高学年は3分以内に日本語で発表した。緊張しながらも、誇らしい面持ちで一生懸命に発表する生徒たち1人1人に会場から温かい拍手が送られた。

 

晴れ晴れとした笑顔がこぼれる

 

生徒たちを和ませた総領事のあいさつ 

 来賓を代表して在バンクーバー日本国総領事館の岡田誠司総領事は、開口一番「皆さん、緊張していますか?」とにこやかに生徒たちに語りかけ、「緊張しながらも大勢の前で話すというこの経験は今後大人になって大いに役立ちます。紙を見ないで発表することは聞いている人とのコミュニケーションを取る上で重要です。皆さん緊張していると思いますが、間違えても良いのです。間違えると聞いてる人が笑ってくれ、そのことによって楽になり、自分が言いたかったことがはっきり話せるようになります」とあいさつの言葉を述べた。  

 

29人の生徒たちによる見事な発表 

 小学科、中・高等科合わせて21人の生徒たちによる発表は、「大好きな家族について」、「カナダの学校」、「日本の小学校での経験」、「自分の好きな事について」など多岐にわたる。日本とカナダ、二つの文化を行き来する子供たちの発表はどれも独特の目線で語られ、聴衆が聞き入っているのがよく分かった。少し内容を忘れてしまっても、動じることなく最後まで発表し、しっかりとお辞儀する姿は、どの生徒も立派である。 

 8人の生徒たちが発表した基礎科は、家庭で日本語を話さない環境にいる生徒が中心のクラスだ。たどたどしい日本語の中にも「日本語を学びたい」という明確な意思が感じられる発表が印象的。

 生徒たちを見守る観客席の保護者や先生たちからは、安堵や誇らしく思う笑顔がこぼれ、子供たちを温かく見守り育てていく雰囲気に満ちていた。

 閉会のあいさつに立ったJALTA日本語教育振興会の馬目広三会長は、「13の日本語学校からなる非営利事業団体JALTAの主な目的は、日本語教師の育成・日本語教育の振興・日本語教材の開発です。今年の生徒たちは発表だけではなく『聞く』姿勢が非常に良かった」と称賛し、伝える方と聞く方が一体となってコミュニケーションが成り立つことの重要性を述べてあいさつを締めくくった。

 会の最後には、劇団「座・だいこん」による 狂言「盆山(ぼんさん)」が上演され、ここでも生徒たちの「鑑賞する」態度は素晴らしかった。                

(取材 福安 恵子)

 

JALTA会長・馬目広三氏

 

来賓を代表して挨拶をする在バンクーバー日本国総領事岡田誠司氏

 

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