全日空ドリームライナー最新機がいよいよバンクーバー線に就航する。ビジネスクラスにフルフラットシートを採用、プレミアムエコノミークラスも備えた、ボーイング787‐9。北米ではバンクーバーが初就航となる。 2月16日にはビジネスクラスで採用されているフルフラットシートのお披露目会がバンクーバー市コースト・コール・ハーバーホテルで開催された。会場には約250人が集まり、設置されたビジネスクラス仕様シートを体験。完全にフラットになるシートの快適さに感嘆の声が上がっていた。

 

全日空ボーイング787‐9。バンクーバー空港にとっても初めての就航(Courtesy of All Nippon Airways)

 

4月28日から787‐9バンクーバー線へ

 全日本空輸は今年夏季スケジュールから羽田発着国際線を中心に、ドリームライナー最新機ボーイング787‐9の導入を加速する。バンクーバー・羽田線には4月28日から就航。北米路線では初めてとなる。

 さらにこの最新機にはビジネスクラスにフルフラットシートを採用。座席が完全にフラットな状態になるシートの快適さは抜群で、すでに多くの航空会社で導入され、全日空でも777や787‐8にも採用されている。全日空の欧米16路線では15路線ですでに導入され、今回バンクーバー路線への導入で全路線フルフラットシートとなった。

 この日ニューヨークから駆け付けた米州総支配人の㓛刀秀記氏は「お待たせしました。ようやくバンクーバー路線にもフルフラットシートが導入されました」と笑った。

 今回の最新機787‐9は、フルフラットシートのビジネスクラスが48席、プレミアムエコノミー21席、エコノミー146席。プレミアムエコノミーもバンクーバー路線では初めてで、現在運航されている787‐8にはないタイプ。今年1月21日から販売も開始され、上々の反応を得ているという。バンクーバー支店長の松橋慶典氏は、ビジネスクラスまでは必要なくても、少しゆっくりとしたいという希望を叶えるサービスを提供できると語った。

 その他の新サービスでは、リアルタイムで最新ニュースやスポーツが視聴できるANA Sky Live TVや、787型機では初めてとなるANA WiFiサービス(有料)も提供する。

 

ますます充実したサービスを提供

 全日空がバンクーバーに就航して今年の3月30日で丸2年となる。北米路線では最も新しい路線であり、唯一のカナダ路線。アメリカほどの集客が見込めるか手探り状態だった就航当初からすると、予想以上の業績となっているという。「後発に入ったにもかかわらず、60‐80くらいをコンスタントに搭乗してもらっています」と㓛刀氏。就航当初は767の古い機材で、それでもよく利用してもらっているバンクーバー線に早く787‐9を投入したかったと語った。そして今後、日系の利用者はもちろん、カナダ人、アジア系カナダ人の利用者をもっと増やし、羽田を経由して、アジア各都市に向けての利便性を強調していきたいと語った。

 就航当初、以前からバンクーバーと日本を結んでいるエアカナダ、日本航空の2社に比べると、バンクーバーでの日系社会以外での知名度が低いことが課題と語っていた松橋氏も、2年を前に課題は徐々に解消されつつあり、利用率も上がっていると自信をのぞかせる。

 その一つの要因が新機材の投入。就航当初は767のかなり古いタイプでの出発だったが、昨年7月に787‐8を導入。そして今回北米初の最新機導入は、SNSなどでの情報拡散も手伝って早くから周知され「予約動向は明らかにいいですね」と語る。ビジネス客獲得という目標には、ビジネスクラスのフルフラット同様、プレミアムエコノミーの導入が大きいとも。最新機の導入は、バンクーバー路線の安定的な集客に確実に貢献できると期待している。

 就航当初に課題として挙げていた3つのうち、新機材の導入、バンクーバーでの周知の2つは解消され、残るは国内線への接続。これも当初の4都市から現在は12都市に拡大し、今後は大阪の伊丹空港への接続を実現していけるよう努力していきたいと語った。

 「ビジネス、レジャー、FIT(個人旅行者)をバランスよく、取り込んでいければいいと思います」と松橋氏。営業面で採算が取れ、運航面で定時性と安全性を守るという両輪がしっかりすれば、全日空バンクーバー羽田線は安定した路線になると就航2年での手ごたえを語った。

 今回のビジネスクラスのフルフラットシートお披露目会で、就航2年目で約250人が参加するというのも手ごたえを感じている一つの理由。「今回の会は、単なるお披露目会ではなく、就航からお世話になったみなさまへの感謝の夕べという意味合いもありました」と語った。

 

バンクーバーのビジネスに好影響を期待

 在バンクーバー日本国総領事岡田誠司氏は、あいさつでフラットシートの快適さを「家にもひとつおいておきたいくらい」と語った。ビジネスクラスの充実はビジネスマンの利用を拡大させると松橋氏も期待する。

 バンクーバー国際空港公団社長リッチモンド・クレイグ氏は、全日空の就航にバンクーバーのビジネスへの好影響を期待する。「今回は特に新機種でのビジネスクラスの充実にいい影響を期待している」。さらに、旅行者数についてもピーク時の数字を超える期待を寄せている。現在は、エアカナダが関空にも就航し、日本航空と合わせ3社になり便数が増えたうえ、新機種導入で日本からバンクーバーへの旅行者が増加すれば嬉しいと語った。

(取材 三島 直美)

 

プレミアムエコノミー。座席周りがゆったりとしている(Courtesy of All Nippon Airways)

ビジネスクラスのフルフラットシートがフラットな状態 (Courtesy of All Nippon Airways)

展示されていたビジネスクラスのフルラットシート

機内食の夕食。これは洋食の例

ビジネスクラスで提供されているドリンクの数々

お披露目会でのメインイベント、ビジネスクラス航空券が当たる抽選会。抽選するのは松橋支店長(中央)(写真 斉藤光一)

㓛刀米州総支配人。「これからもバンクーバーの人に利用してもらえるサービスを目指していきたい」と語った (写真 斉藤光一)

あいさつする岡田総領事。フルフラットシートも体験していた (写真 斉藤光一)

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