「顧客との信頼関係も重要です」
ビジネスの心構えについて話す中谷氏


「こんな家に住んでみたい」
と思うくらい素敵なオフィス

オークウエスト不動産(株)
ならびにオークウエストホールディング(株)

中谷太三(なかたにたいぞう)


賑やかなブロードウェーとグランビル交差点かいわいも、ちょっと中に入れば閑静な住宅街になる。その中の歴史的な外観の家がオークウエスト不動産のオ フィスだ。「これは1907年に建てられた、市から歴史的建造物の指定も受けている典型的なクィーン・アン・スタイルの家です」と代表の中谷太三氏が説明 してくれる。
この場所にオフィスを移してから、ビジネスはさらに発展したとのこと。今日は、そんな中谷氏のビジネスについてお伺いした。

バンクーバーに移住後、不動産業界に興味を持つ
中谷氏が家族と共にバンクーバーに移住してきたのは1982年。この時に住まいを購入したのだが、その手続きが日本と異なりガラス張りで、消費者保護に 徹していることに強い印象を受けた。日本では家電業界の仕事をしていた氏だが、不動産関係の仕事を始めることを決心。約1年間の準備期間ののち、まずは不 動産会社に就職した。

特に日本からの顧客の場合は、購入と同時に物件の維持管理も依頼されることが多かった。会社のセールスマンという立場では合法的にそれが出来なかったこ とから、自ら会社を設立。だが不動産業は扱う金額が大きく、会社の規模で信用度の大きさが測られる面もあり、設立当初の小さな貸しオフィスでは高額物件の 取り扱いは難しかった。

ビジネスの転機になったのは、現在の自社オフィスに移ってから。目に見える存在感は顧客の安心感につながり、信用度も上がった。現在は年間約 件、2200万ドルほどを扱うまでになった。大きい物件では、日本の銀行から紹介された顧客の依頼でアパート全体、約800万ドルというものもあった。

お客様の繁栄、そして従業員の繁栄
ビジネスに対する心構えを、中谷氏はこう語る。「まず顧客の繁栄を考えるところからです。次に従業員の繁栄を考えていけば、会社はおのずと繁栄していくものだと思っています」

「また収支は常に把握しています。業績に応じて細かい調整で赤字にならないよう、会社を健全に継続することが大切です」
そして合法的であることも大事だと氏は指摘する。これを守らなければ事業を拡大することも、顧客のニーズに十分応えることもできなくなるからだ。

ライフプランを立てる
起業する際にライフプランを立てることも役立つと氏は語る。「リタイアする時、また生涯を終える時に『いい人生だった』と言えるのは、自分がどういう状 況にいる時なのか。それを出来るだけ具体的にイメージしてみるんです」そこから逆算して現在の自分を見れば、今何をやるべきなのかが見えてくるというわけ だ。
以前のテナントであった設計事務所が改装したというオフィスは、自然光がふんだんに取り入れられ働きやすい環境だ。今まで扱ってきた物件の資料もベース メントの倉庫にきちんと保管されている。どこを見ても几帳面で丁寧な氏の心配りが行き届いており、安心感につながっている。このオフィスだけでも一見の価 値がある。

(取材 平野直樹)

中谷 太三(なかたにたいぞう)氏プロフィール
和歌山県有田郡出身、1951年生まれ。1972年に松下電器産業商学院卒業。ナショナル製品販売株式会社に勤務。

1974年から1年間、アメリカの家電業界の視察と英語研修をかねて渡米。奥さんの和子さんとは、この時のバンクーバーへ向かう船中で初めて出会う。北米 大陸への第一歩がバンクーバーだったわけだが、その時の印象は「自然がいっぱい残っていて、うまく人間が自然と調和して生活している町」で、このことが後 の移民につながっていく。

子供の頃から機械いじりが得意だったこともあり、今でもステレオの組み立て、調整を自分で行い納得のできる音を求めるそうだ。だが、今一番凝っているの は鉄やアルミの溶接加工。鉄という重厚で安定した素材そのものの味わいと、それを自在に加工できることが魅力とのこと。この趣味を生かし、家の改装にも力 を入れている。

奥さんの和子さん、長男の公一さん、長女の陽里さんとの四人家族。


Oak West Realty Ltd. / Oak West Holdings Ltd.
業務内容:不動産売買ならびに不動産管理業務
住所:2300 Birch Street, Vancouver, BC V6H 2T2
電話:604-731-1400 Fax:604-733-6700
ホームページ:http://oakwest.net

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