2007年11月22日 第47号 掲載


Ebi Tenと同じビルにあるオフィスにて、これからのビジネスの展開を語る遠竹氏

−天丼のファーストフード店から次の飛躍をめざす−
バンブーシュリンプ・マーケティング社長

遠竹(とおたけ)啓太郎氏


ダウンタウンは中央図書館の向かいに位置する日本食ファーストフード店、EbiTen。お昼時には外まで行列ができるほどの賑わいを見せている。

日本での経験をバンクーバーで生かす
この店のオーナーである遠竹氏は、日本で大手外食チェーン店の立ち上げスタッフの経験を持つ。「飲食店を開店させるために必要なことは、ひととおりやり ましたね。その後も店長を務めるなど、飲食店ビジネスのノウハウ、経験を積んでいきました」と当時を振り返る。

チェーン店での仕事も安定した8年目、日本のレストランをバンクーバーに誘致しようとしていた台湾人投資家と知り合う。北米の事情もある程度把握してい た遠竹氏は自分が大きく動けるチャンスと感じ、その誘いに応じて単身バンクーバーに渡ってきた。1999年のことである。

こうしてEbiTen1号店がクリスタルモール(バーナビー)に開店した。「ところがモールもオープンしたばかりで集客力が弱く、売り上げがようやく100ドルという日も」珍しくなかったそうだ。

次の展開を常に考える
このままでは大きな展開が見込めないと遠竹氏は、2号店をダウンタウンに開くことを提案。自分で探した現在の場所に2002年、2号店をオープン。氏の読みはあたり、売り上げは飛躍的に伸びた。


お昼時には多くの人で賑わうEbi Ten。
メニューは地元の人に広く受け入れられるよう、常に工夫しているとのこと


さらにバンクーバーが2010年の冬季オリンピック開催地に選ばれたことで、また「流れ」が変わると感じた氏は3号店の企画を提案。ところが今度は自分 も経営に参画すると切り出してきた投資家と意見が対立。結局経営方針は譲れないとする遠竹氏は解雇され、帰国することに。

巡ってきたチャンスを生かす

東京で約2年間、和食居酒屋の経営などに携わっていると、今度は資金援助の話が知人から持ちかけられた。偶然にもEbiTenが売りに出されていること を知ったのとほぼ同時のことで、遠竹氏はすぐさま以前の投資家と交渉を開始、ダウンタウンのEbiTen2号店を引き継いだ。その後のEbiTenは毎期 増収を続けている。

ビジネスに重要なもの

遠竹氏が重要視しているのは、人。「飲食店は従業員の働きひとつで売り上げが増えも減りもします。ひとりひとりの性格を考えながらモチベーションとノウ ハウを与えられれば、その店だけではなく、次の発展への重要な戦力となるのが『人材』なんです」と語る。

またそのためには、自分自身が夢を語れるビジネスをすることが必要。「自分が情熱も楽しみも持てない状態では、従業員にやる気を出せと言っても無理な話です」

「自分は深く考える慎重派。数セント単位の価格改正や経費についてずっと悩んだりもします」と語る遠竹氏。と同時に「この先何か起こるかな、ということ は常に考えています」とも。海外ということもあり、突然予想外のことが起こる可能性は十分ある。その時に「素直に事実を受け入れ、流れに乗れるような心構 え」でいられるようにすることだと氏は説明する。このあたりに、遠竹氏がたびたび巡ってきたチャンスをしっかり成功に結び付けることが出来た理由がうかが える。

氏のこれからのビジネスの発展に期待したい。


(取材 平野直樹)



バンブーシュリンプ・マーケティング社
(BambooShrimp Marketing LTD)概要

会社の経営目標は「EbiTenの経営にとどまらず、マルチブランドの飲食業を展開していくこと」と遠竹氏は語る。「可能性のある、新しい分野にどんど ん進出して行くつもりです。レストランの形態もそうですし、場所もそうです。たとえば日本にも出店できないかと考える、そういった夢をひとつひとつ実現し ていける会社を目指しています」
またこれからビジネスを始める人に、自分の経験を役立ててもらえればとコンサルタント的な活動も行う。「飲食店ビジネスは『やりたい』という情熱のほか に、確かなノウハウが必要です。その中には『従業員の能力を生かしきる』というような、現場の経験から得られるものもあります。しかし若い企業家にはその ノウハウを得るチャンスがなかなかありません。これを私たちが補うことで、そのビジネス成功の助けになればと、そう考えています」また同時に氏は BOSS(若手起業家の会)に参加するなど、さまざまな機会を利用して目的達成に取り組んでいる。







 

 

Ebi Ten
住所:388 Robson St. Van 
電話:604-689-9938a

 

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