2019年1月10日 第2号

 本当は「ひょうたんから駒」と言うらしい。冗談が本当になるという意味だと言うから、「ひょうたんと縄(なわ)」もそれに近い意味になれば良いと思うが、いかようになるか?

 昔(50年前)、日本人のルーツはトルコあたりから来た人種だと言われたような記憶がある。トルコ人と日本人はよく似ているらしいから、縄文人のルーツもこのあたりかもしれないと僕自身はそう理解していた。仮にアフリカから移動して来た旧石器人が食料のマンモスを追い求めてシベリアまで行き、さらに日本列島まで来たのだけれども、氷河期が終わり温暖化が進み食料のマンモスもいなくなり、旧石器の狩猟民族は日本の北へと移動して行くが、温暖化により海面が100メートルも上昇をして、日本列島に閉じ込められた人々が縄文人でありアイヌ民族かもしれない。この縄文人の遺伝子とアメリカインディアンの古い人骨の遺伝子はとてもよく似ているという最近の説もあるから、縄文人の別のグループは、マンモスを追いアメリカまで来たのかもしれない。

 そのように考えれば、食料のマンモスもいなくなり、食料として木の実の栗やどんぐり、魚や貝類、さらには、兎とか熊、関東あたりになると猪の肉を食べるようになったのかもしれない。

 しかも、7300年前には、南九州の海にある鬼界カルデラの海底火山の大噴火により、その火山灰により九州の縄文は滅亡したとも言われている。時代は前後するが、北は、海面の上昇で大陸と切り離されて、マンモスから熊の肉を食べるアイヌふう縄文文化となり、南の縄文人は九州も閉ざされて、三内丸山遺跡のような持続可能な縄文文化へ移行していったようにも思える。

 持続可能な文化は、必要にせまられてか、土器や縄をつくることを生きる知恵で考え出し、日本列島の中で、物々交換をしながら生きてきたようにも想像できる。物々交換や狩に行くのはおもに男達であり、村に残った女性や子供達、老人が縄文の村を守ったように見える。女性中心の社会であったように思える縄文文化に見られる女性の土偶は、そのような女性をシンボル化したのではないのだろうか?

 一説には縄文時代は、一万六千年前から始まり、三千年前ころ、つまり紀元前千年前の弥生時代まで続いたといわれる。その中で、かや、あしなどの柔らかい茎の繊維を利用して、縄を作ったのではといわれる。そのアジアで最も古い縄文(縄目模様)がついた土器、いわゆる縄文土器は一万六千年ぐらい前のものである。縄文人は麻の繊維で衣類も作っている。秋田県の遺跡から、一万六百年前の麻の種が見つかっている。麻が栽培もされていたようである。この麻縄(麻のロープ)がなければ、大きな石を積み上げて造られたエジプトのピラミッドも造ることもできなかったかもしれない。また、縄文人の貴重な食料となった魚を釣ることもできなかったし、三内丸山にある直径が1メートルもある栗の木の柱6本を建てて巨大な物見やぐらふうの建造物をつくることは、このロープなくしてはできないと思われた。

 アフリカ東南部、エジプトの南にあるエチオピアにはひょうたんの民芸品が数多くある。かっては、このひょうたんの器にヤギや牛の乳、乳酸を入れるのに使用したという。

 ひょうたんはアフリカが原産であるが、その東となりの西アジアでは小麦、大麦や豆類を栽培する農耕は紀元前九千年ころからはじまり、この農業生産の余剰を基にして、人類最古の文明が開花したといわれる。当然ヤギや牛、ラクダなどは搾乳の対象となり、そのチチを受ける物としてひょうたんが利用されたのではあるまいか?

 このひょうたんの種が紀元前三千五百年前の三内丸山遺跡でも見つかっているのは、この西アジア、エジプトの古代文明とも繋がっているように思えるのは小生だけではあるまい?

 

ひょうたんの種は上段左から3番目

 


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