2018年1月11日 第2号

 僕自身は、カナダの年金を貰う歳となったが、有り難いことにカナダは定年退職の制度は廃止となり、健康であれば仕事を継続できる時代となり、僕自身も仕事を継続している。

 医療がいちじるしく進み、人生100歳の時代とか。元気に、おだやかに新しい年を迎えられることに、僕自身は一種の安堵を感じている。

 しかし、目を転じれば、きわめて不穏な空気が流れ始めているようにも見える。その一つが北朝鮮のことである。最近は北朝鮮への経済制裁が、じわじわと効いてきたのか、北からの木造漁船の日本への漂着がよく報じられている。ここ数年、その数は特に多いように見受けられる。この木造船は、言ってみればレーダーに映りにくいステルス船みたいなものではないかとも思える。日本のすぐれたレーダー技術をもってしても、事前に発見できないのではないかと、少々疑いたくなるほどである。横田めぐみさん達の北による拉致問題は解決しないが、このようなことであれば、第二の不安な問題は起こりえる可能性はある。今回、問題になると想像される日本への密入国も心配である。

 これだけ数多くの魚船が漂着するということは密入国者もあるのではないかと想像をする。日本で現金を稼ぎ、第三国に送金をして、そこから北へ送るという方法かもしれないが、これも資産の凍結ということで、かなり厳しいことかもしれない。

 若い頃、日本の建設現場でアルバイトをしたことがある。当時の現場監督の話を思い出せば、コンクリートを流し込んだ型枠をはずした後に、型枠からはみ出てこびりついた壁のコンクリートを鉄のみで削り落としていく仕事をはつり屋さんと言い、多くは在日の韓国人のグループが下請けでやっていた。

 今の日本は、景気が回復傾向にあり、デフレ脱却の経済成長である。特に、2020年の東京オリンピックに向け、建設現場は人手不足であるという。となれば、当然多くの外国人労働者も現場にいる。そういう中にはビザ(許可)のない不正規の外国人労働者、たとえば北朝鮮の密入国者も入っているかもしれないと想像するのである。

 その様なことを想像させる中で、アメリカ大統領トランプ氏は、秋に日本を皮切りに、東南アジアを訪問をしている。そういうトランプ氏はものすごい勇気のある方だと小生は思うのである。

 米国から持ち込んだ特殊なリムジンで東京市内を移動されたが、もし、テロの問題が起これば、場合によれば、日本海に配備されてあった米国の空母から戦闘機が発艦していたかもしれない。

 そのぐらいの決意を持ってアジア訪問の旅をされたトランプ氏は、現地、現場の対話を勇気を持ってできる人かもしれない。

 彼の人生の若い頃を垣間みれば、その様なことが想像できるのであるが、これは私見である。

 勇気ある平和の対話を期待したいものであると同時に、新しい世紀は、優れた人工知能を持ち、自分で学習するロボットが、か弱き人間を支配する時代にならぬことを夢想するのである。

 


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