2018年4月12日 第15号

 今まで、「私は大丈夫、病気じゃない」または、「なんにも悪い物を摂取していない」と言われる方の中に間違った健康法を支持している方を多く見かけます。人それぞれ、病気各種によって、効くもの、効かないもの、または、症状を悪化させるものもあるので、口にする前にちょっとだけ考えてみてはいかがでしょうか。

 実際、自然医療医学の知識があることから、今の職場の友達から薬(おもしろいことに薬なのですが)の相談を受けます。先日も「今回の風邪、かなりひどいのだけど、どの風邪薬をのんだらいいだろうか?」と聞かれました。そこで彼にいくつかの質問をしました。

 本当に風邪なのか。熱があるのか。身体がだるいのか。身体の節々が痛いのか。風邪と思われるのはなぜか。

 これらの質問をした結果、彼からの回答は以下のようでした。

 喉が痛い。身体がだるくて節々が痛い。熱もあるようだ。調子が悪いから風邪だと思う。

 これらの、熱が出て体の節々が痛いという症状はインフルエンザによく見られるものです。なのに彼は風邪薬を飲もうと思っていました。以前も説明しましたが、風邪はバイ菌によるものが多く、殺菌効果のあるものを摂取し、熱を出して体内の菌を消滅させれば2、3日で治りますが、インフルエンザはウイルスによるものなので、同じ効果の薬やハーブでは全く効果を表しません。なので、自分で病気かな?と思ったときは必ず客観的に症状を捉え、多分コレだろう!などの思い込みで薬を買って摂取するのはやめたほうがいいでしょう。

 病気の知識があまり無いのに自分でなんとかしようとするのは、大きな的を小石で倒そうとしていることと同じなので、薬を買う前に一度、自分の症状を見直してみるのも大切です。すると、もう少し的を射た薬を購入することができるので、症状を緩和できるようになるでしょう。気が付くと周りにインフルエンザが蔓延しているようなので、今回は少しだけインフルエンザに効果のあるハーブや自然治療法をご紹介しましょう。

 ハーブとしては、霊芝(Reishi mashroom) 、エルダーベリー、ゴールデンシールなど。シナモンは体内の熱を上げ、外に促す効果があるので、悪寒がするときなどに摂取すると効果があります。冬のデザートや飲み物、食事のレシピには必ずと言っていいほど、シナモンを利かせた物が多いのが目立ちますよね。これらのハーブを買おうとすると高級であったり、そのときだけしか使わないからもったいない物もあります。そんなときは、ハーブティーを購入するのがオススメです。今流行の紅茶専門店でのブレンドを飲まれるのも良いですが、添加物(香料やフレーバー)が入っている物が多く見られますので、私はスーパーやドラッグストアーの紅茶セクションでハーブティーを購入します。すでにブレンドされていて簡単に何のため用のハーブティーなのか分かるようになっているので便利です。喉が痛い時用(Throatと書いてあります)、風邪などの調子の悪い時用(Echinaeceaと書いてあります)などいろいろと分かれています。それを普通にお湯を入れて飲むのではなく、お鍋で2分ほど煮出して飲むと効果があがります。お茶として飲んでも治療の一環になるので、自分の好きな時に、好きな分だけ飲むのも良いでしょう。

 最後に一つだけ、ハーブだから安全と思っていても、熱のあるときにGinseng(高麗人参)の入っているハーブを摂取すると、逆に熱をさらに上げて症状を悪化させることがあります。Ginsengは体力低下のときや、悪寒のするときなど一時的に使用をするのであれば、効果を発揮するので、誤ったときにハーブを摂取しないように気をつけることも大切です。

 


草野明美 自然医学博士/Naturopathic Doctor

1989年にカナダオンタリオ州に父親の転勤で引越しをし、2002年にトロントにあるCanadian College of Naturopathic Medicine にて修業後、2年ほどバンクーバーの指圧学校で講師/カウンセラーとして自然治癒力の素晴らしさを教えていたが、日本でも同じことができないか一度帰国。その後日本で結婚、出産をし2013年7月に再度家族を連れてバンクーバーに戻ったあと、カルガリーMarket Mall内のNutrition Houseにてサプリメント健康アドバイザーとして勤務。現在は2児の母としてバンクーバーに在住。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。