2020年1月30日 第5号

 乗車サービス大手ウーバーとリフトが24日からブリティッシュ・コロンビア(BC)州メトロバンクーバーでのサービスを開始した。

 23日にBC州乗客運輸委員会(PTB)が2社に営業を認可。同日にはバンクーバー市が営業許可を発行し、翌日にサービス開始となった。

 サービスを提供する範囲は両社で異なっている。ウーバーは、メトロバンクーバーの広範囲をカバーし、バンクーバー市をはじめ、北はウエスト・ノースバンクーバー、南はリッチモンドからデルタの一部、東はコキットラムとサレーも含まれている。

 一方リフトは、バンクーバー市中心部と空港、PNEと限定的。今後範囲を広げていく予定としている。理由としては、運転手不足があげられている。

 サービス開始となった24日から、首を長くして待っていた市民らが早速利用している様子が、多くのメディアやSNSで紹介された。

 しかしトラブルもあったようだ。サレー市では乗客をピックアップするために駐車した指定場所で、市の職員から違反切符が渡された事実があったことが明らかになった。500ドルの罰金を科す可能性があると警告している。

 乗車サービス導入についてはタクシー業界が反対を表明していた。そのためタクシー業界関係者が多いサレー市では反対の声が大きく、同市ダグ・マッカラム市長がサレーでの営業は許さないとまで語っていた。

 サレー市はサービス開始となった24日には、ウーバーに対して午後9時までに営業を停止するよう通知していたことが分かっている。ウーバー・カナダは「謹んでお断りする」としてサービス継続を約束した。

 乗車サービスについてはBC州政府が認可しているため、サレー市に営業を停止させる権限はないという。

 それでもマッカラム市長は27日の会見で、今後もサレー市で営業するウーバー運転手については500ドルの罰金を科すと語った。サレー市以外で乗車した乗客が市内で降りる場合は問題ないが、拾う場合は罰金が科せられるとしている。

 バーナビー市でも罰金を検討しているとの報道もあり、タクシー業界は訴えを起こすという。バンクーバーでの乗車サービスは、市民の期待とは裏腹にまだまだ政治的な駆け引きが続きそうだ。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。