2020年1月30日 第5号

 中国河北省武漢を発祥とする新型コロナウイルスの感染者数が増加するにつれて、カナダ国内で中国系カナダ人に対する差別的な言動が見られるようになったと各メディアが伝えている。

 カナダ最初の感染者が確認されたオンタリオ州トロントでは、ヨーク地区教育委員会に最近中国から帰国した家族の子どもたちを登校させないように要求する請願書に9千人が署名して提出したことが明らかになった。教育委員会は、心配する気持ちは分かるが、こうした行為は差別を助長するとして非常に残念との声明を発表した。

 またトロントの中華街も人通りが少なくなっているという。

 カナダは2003年サーズ(SARS)が流行した時に、アジア以外では唯一死亡者を出した国で44人が犠牲になった。その時の恐怖はまだ記憶に新しい。

 ソーシャルメディアにも、中国系カナダ人やアジア系カナダ人への差別的な投稿が多くみられるという。SNSでは新型コロナウイルスに対するデマも広がっていることが報告されている。ブリティッシュ・コロンビア州衛生保険官は正確な情報源として連邦、州政府保健省の情報を確認してほしいと語っている。

 

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