2019年8月29日 第35号

 カナダの主要都市に設置されたカナダ国民党を支持する反移民政策広告が撤去されることが26日分かった。

 道路脇に設置されたビルボード広告に、「大量移民受け入れにノーを」と書かれた広告が掲げられたのは先週末。以降、保守派を除く各党の党首や議員から批判の声が上がり、多くの国民もツイッターなどで差別的などと非難した。

 広告にはキャッチコピーとともにカナダ国民党マキシム・ベニエ党首の顔写真が大きく貼られ、党名も分かるように書かれている。

 この広告のためにビルボードの掲載スペースを購入したのは、トゥルーノース・ストロング&フリー・アドバタイジングコープ(TNSFAC)。同社はカナダ選挙管理委員会に8月16日に登録し、広告は23日頃から注目を浴び始めたことが分かっている。

 今回の件に関してTNSFAC代表フランク・スミーンク氏はカナディアン・プレスのインタビューに対して26日、今回の広告掲載について広告主が示した意見を自社が支持するものではなく、最初に掲載を承認した時に誤った判断をしたと説明している。

 広告が掲載されたビルボードを管理する屋外広告スペース提供会社パッティソン・アウトドア社は、25日に広告内容に意見がある場合は広告掲載会社TNSFACに連絡するよう促す声明を発表。自社のガイドラインに違反していないとの判断から撤去する予定はないと説明していた。しかし同日遅くには一転、非難の声に応えて広告を撤去すると発表。同社代表ランディ・オット氏は私自身および当社が広告掲載によって市民を侮辱するという意図は全くなかったと説明し、広告掲載会社には撤去する旨を伝えるとの声明を出した。

 広告は独立した第三者機関が制作したもので、カナダ国民党が制作したものではない。しかしこの一連の広告撤去騒動にベニエ党首は、党は広告内容に同意すると語り、広告が撤去されるのは表現の自由に違反するのではとの見解を示した。

 カナダ国民党は保守党から離党したベニエ氏が立ち上げた党で、保守党よりもさらに右寄りの政策を掲げ、一定層の票を獲得する右寄りの政策を打ち出している。移民政策もその一つ。年間35万人の移民受け入れは多すぎると移民数の減少を主張している。

 ビルボード広告は、ノバスコシア州ハリファックス、オンタリオ州トロント、アルバータ州カルガリー、ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーなどで掲載されたが、全国すべての広告を撤去するとしている。

 

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