2018年12月13日 第50号

 ブリティッシュ・コロンビア州政府は5日、新環境対策プランを発表した。新プラン「クリーンBC」は、BC州が掲げている2030年までに2007年比で40パーセントの温室効果ガス排出量削減を達成するためのもの。天然資源産業、住宅建設、運輸交通など産業界から個人の交通手段まで幅広く削減を目標としている。

 液化天然ガス産業を含む天然資源産業界で840万メガトンの削減を目指すほか、ガソリンからクリーンエネルギーへの移行や新築ビルに省エネ機能を義務づけること、家庭や企業からの有機廃物の削減などを盛り込んだ。またすでに発表している2040年までにBC州で販売される全車を電気自動車や水素自動車などのクリーンエネルギー車とすることや、そのためのインフラ整備や補助金制度の充実なども発表している。

 BC州政府ジョン・ホーガン州首相は記者会見で「このクリーンBCで気候変動に真っ向から挑戦する」と語り、クリーンで再生可能エネルギーへと移行することで経済を成長させると共に、州民により住みやすい快適な生活を提供できると語った。

 同州政府ジョージ・ヘイマン環境相は昨年、今年と2年連続でBC州を襲った夏の史上最悪の山火事を例に挙げ、気候変動が私たちの生活を直接脅かす事態を招いていると語り、「州民は恐怖ではなく希望を望んでいる。今日の発表は州民に希望を与えるものだ」と語った。

 BC州NDP政権と協力関係にあるグリーン党アンドリュー・ウィーバー党首は、「これは環境対策プランではなくビジネスプラン。だからこそ今回のこの発表には意味がある。BC州はビジネスを歓迎する、しかし、そのビジネスはクリーンなものだ」とNDPのプランを歓迎した。

 ヘイマン環境相は今回の対策の費用については来年2月に発表する予算案で盛り込むと語っている。

 

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