2018年12月13日 第50号

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市のBC州最高裁判所は11日、カナダ当局がバンクーバー国際空港で拘束した中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の副会長兼最高財務責任者(CFO)孟晩舟容疑者の保釈を認める決定をした。

 孟氏は今月1日にカナダ当局に逮捕された。以来バンクーバーで拘留されていた。保釈金は1千万ドル(約8億5千万円)。パスポートを預ける、足にGPS付きの追跡装置を身につける、BC州から出ないという条件付きという。検察側は逃亡する恐れが強いと主張したが裁判所が退けた。

 孟氏はファーウェイの創業者である任正非・最高経営責任者(CEO)の娘。1日、香港からバンクーバーに到着したところをカナダ当局に逮捕された。カナダ当局によればアメリカの要請で逮捕したという。

 アメリカの司法省は、孟氏がアメリカによる対イラン制裁対策としてアメリカの金融機関に虚偽の説明をした詐欺の疑いがあるという。アメリカはカナダに身柄の引き渡しを求めている。今後は孟氏の身柄をアメリカに引き渡すか注目される。

 カナダ国内では中国とは直接関係ないという中国系団体がカナダの対応に反対するなどの抗議行動も起こっていた。

 ジャスティン・トルドー首相は、今回の拘束はカナダ政府が主導したものではないと発表。ただ事前に拘束することは報告を受けていたとも語っている。

 次の裁判期日は2月6日。

 一方、中国でカナダ人元外交官マイケル・コヴリグ氏が拘束されていることが分かった。11日カナダ政府が発表した。トルドー首相は「もちろん、中国で拘束されたカナダ人については承知している」と語り、現在中国高官や代表と直接コンタクトを取っている、「現状を非常に深刻に受け止めている」と懸念を表明した。

 

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