2018年11月29日 第48号

 米マサチューセッツ州に住む男性が、末期がんであると診断された愛犬をブリティッシュ・コロンビア州のブリーダーに再会させるため、北米大陸横断の旅に出た。

 この男性は、人口4万3千人ほどの都市アトルボロの市長ポール・ヘルーさん。彼の愛犬で四国犬のムラは、9月28日に末期がんとの診断を受けた。ムラに残されたわずかな時間を少しでも有意義に過ごすため、ヘルーさんは彼女の生まれ故郷、BC州バンクーバー島への旅行を計画した。バンクーバー島からムラが空輸されてヘルーさんの元へ来たのは、2008年のことだった。

 長い間バケーションを取る機会がなかったヘルーさんは、実は中東への旅行を計画していたが、ムラの病状が明らかになってからは一分一秒でも長くムラと過ごすことに決めたと、取材に話している。

 ムラとの北米大陸横断の旅を、ヘルーさんは何枚もの写真に記録してきた。合計でアメリカ24州とカナダ2州を通過した彼ら。その中にはナイアガラの滝や、山頂に4人の大統領の胸像が彫られたラシュモア山、ゴールデンゲートブリッジのほかグランドキャニオンやイエローストーン国立公園もあった。

 その中でもハイライトは、ハリウッドのウォーク・オブ・フェームに立ち寄り、ムラが思いっきり体を伸ばすことができたことだと、ヘルーさんは取材に答えている。

 12日間のドライブの末、ヘルーさんとムラはバンクーバー島でブリーダーと再会を果たした。立派に成長したムラに会うことができたブリーダーも大変喜び、感慨深い瞬間だったとヘルーさんは語っている。

 

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