2018年11月1日 第44号

 長距離バス大手のグレイハウンド・カナダが、カナダ西部での運行を10月末で終了すると発表したのは、7月のことだった。

 そしてその終了が近づいた10月末、そのルートのいくつかを引き継ぐバス会社が名乗りをあげた。そのうちのひとつライダー・エクスプレスは、サスカチワン州の州都レジャイナに本社を置く。同社は55人乗りのバス6台を用意し、そのうち2台をブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーとアルバータ州カルガリーのルートに、また1台をカルガリーとマニトバ州ウィニペグ間に投入、グレイハウンド・カナダの運行が終了する間際の10月29日から運行を開始した。

 しかし、その停留所に関してはぎりぎりまで調整が続けられ、経費削減のため都市中心部のバスターミナルではなく、交通の便がよいガスステーション(ハスキー)を停留所代わりに利用している。また運賃については、乗車率15〜20人程度で利益が出るよう設定されているというが、グレイハウンド時代に比べ安くなった路線もある。グレイハウンド・カナダが7月に路線廃止を発表した際、カナダ西部の路線は採算がとれないことが、その理由だとしていた。

 なお、グレイハウンド・カナダがカナダ西部で唯一運行を継続するのは、BC州バンクーバーと米ワシントン州シアトルを結ぶ路線。また同社は、昨年から州政府に撤退の申請をしていたBC州北部ルート(プリンスジョージ=プリンスルパート間)を、今年6月に終了している。

 ライダー・エクスプレスはレジャイナ市で過去1年半、15人乗りのフルサイズ・バンによる乗客運送業を行ってきていた。今回の長距離路線に投入されるバスには、飲料水のほかWiーFiやビデオ・エンターテイメントシステムが装備されている。さらに、以前グレイハウンド・カナダの運転手として同路線を走ってきた運転手何名かが、ライダー・エクスプレスに雇用され、これらの長距離バスを運転することとなった。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。