2018年10月18日 第42号

 米ダラス空港から中国北京空港へ向けて飛行中だったアメリカンエアライン263便(ボーイング787型機)が11日、アルバータ州カルガリー空港に緊急着陸した。

 北米大陸から北極海を抜け、ロシアを南下して北京へ向かう航路を巡行中の同機は、マニトバ州とヌナブト準州の州境に差し掛かるあたりで医療上の必要性から緊急着陸を要請した。ここから南西へ転進し、サスカチワン州北部を横切りアルバータ州エドモントン空港へと誘導された。

 ところがエドモントン空港への着陸態勢に入ったところ、高揚力装置(フラップ)に不具合があることがわかった。機長は緊急事態を宣言、エドモントン空港より長い滑走路がある、さらに南のカルガリー空港へと向かうことになった。フラップは主に着陸時、速度を落としても十分な揚力を発生させ、飛行を安定させるために用いられる装置。これが作動しない場合は通常より早い速度で着陸しなければならず、結果として着陸後に滑走路上で安全な速度に減速するために、より長い距離が必要となる。

 またこの緊急着陸のために機体を軽くする必要が出たため、同機はカルガリー空港近辺に達したあと、その東側の空域でさらに約2時間、飛行を続けなければならなかった。

 同機がカルガリー空港に無事着陸したのは、午後7時少し前だった。209人の乗客は同地のホテルで一泊し、翌日代替機で北京へと向かった。なおアメリカン航空は、最初に報告された医療上の必要性については詳細を明らかにしていないが、カルガリー市の救急医療サービスはメディアの取材に対し、同機の乗客を病院に搬送するようなことはなかったと答えている。

 

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