2018年9月27日 第39号

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバーで、語学留学のため滞在していた日本人女性の古川夏好(こがわなつみ)さん(30)が殺害された事件の裁判が24日、BC州最高裁判所で始まった。

 裁判の中で死体遺棄現場の状況などが明らかになっている。古川さんを殺害し、死体を放置したとして第2級殺人罪と死体遺棄罪に問われているのは、ウィリアム・ビクター・シュナイダー被告(51)。

 24日、25日に開かれた公判では、検察側が遺体発見の状況やシュナイダー被告が殺害を認める発言を家族にしていたことなどが明らかになった。

 古川さんは2016年9月8日から行方が分からなくなり12日に友人が警察に行方不明を報告した。バンクーバー市警は最後に古川さんの姿が写っていたビデオを公開し、行方を捜索。同年9月28日にバンクーバー市ダウンタウンの空き家で発見された女性の遺体が古川さんだと同30日に発表した。

 24日の裁判では発見された当時の状況の詳細が説明された。警察犬によって発見された遺体はスーツケースに入れられていたという。検察によるとすでに腐敗が進んでいたため、死亡原因は確定できなかったという。ただ外傷はなかったとしている。

 スーツケースが発見された当時、その周りにはビールの空き缶や皮ひも、黒いブーツなどが散乱していたと報告。ただ古川さんの衣類や携帯電話、所持品は見つかっていないと説明。さらにシュナイダー被告がその場にいたという物的証拠もないという。

 シュナイダー被告は9月8日に古川さんと一緒に歩いている様子がダウンタウンのハーバーセンターのセキュリティカメラに写っていた。警察はこの映像を公開。その後、遺体が発見された同日に同州バーノンにいるところを逮捕された。

 この時シュナイダー被告の居場所を警察に報告したのが被告の兄弟ウォーレン・シュナイダーさん。警察が公開した映像を見た被告の姪が父親に報告したという。ウォーレン・シュナイダーさんも今週、裁判で証言する予定になっている。証言内容には、被告が殺人を告白した事実が含まれると検察官は説明している。

 裁判は10月初旬まで続くとみられている。シュナイダー被告は無罪を主張している。

 

 

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