2018年3月1日 第9号

 ニューブランズウィック州モンクトンで2016年7月に起きた踏切死亡事故の調査報告書が2月8日公表され、カナダ全土の踏切の安全性を改善する必要性が指摘された。

 この踏切事故で死亡したのは、車椅子に乗ったスティーブン・ハレルさん(当時29歳)。7月27日夜、同市中心部のロビンソン通りの踏切を渡ろうとした際、車椅子が線路の砂利にはまって動けなくなり、貨物列車にはねられ死亡した。

 報告書によると、事故の一カ月ほど前に踏切で舗装工事が行われていたが、歩行者が歩ける範囲を示すための反射塗料を使用した白線は、引き直されていなかった。また舗装部分のへりには小さな穴があり、ハレルさんの車椅子の右車輪がそこにはまったため、身動きが取れなくなった。

 さらにハレルさんは列車にはねられる前、50分もの間その状態だったとみられている。

 これを『拷問のような50分間』と呼ぶ母親のダイアン・ハレルさんは、報告書の指摘には納得しているものの、踏切はまだまだ身体障害者にとっては危険な場所だと取材に語っている。報告書は改善点として、照明施設や視覚的また聴覚的案内の充実、さらに歩行者用通路は線路と直角をなし、車椅子の車輪などがその間に挟まる危険性を最小限に抑えることなどをあげている。

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。