2018年2月15日 第7号

 カナダ全土で販売されていたワイヤレス・カラオケマイクが出火したり、高熱で溶けたりする事故が頻発し、カナダ保健省が8日にリコールを発表した。

 このマイクは、米ニューヨーク市に本社がある有限会社ツーミ・エレクトロニクス(Tzumi Electronics LLC)が製造した、ロック・ソロ・ブルートゥース・カラオケマイク。カナダでは2017年11月にスーパー大手のウォールマートやオンライン上の通販サイトで販売が開始され、ウォールマート・カナダが把握しているだけで約7万本が販売された。

 発生した事故の一つは、7日にオンタリオ州ロンドン市で起こった。アシュレイ・サワツキーさんがメディアに語ったところによると、サワツキーさんの8歳になる娘のベッドルームに置いてあったカラオケマイクが突如爆発、火の手が上がったという。カナダ国内では似たような事故が、他に3件報告されているという。

 サワツキー家のカラオケマイクが爆発した日は、たまたま娘の体調がすぐれないことでサワツキーさんは仕事を休み、家にいた。午前10時30分ごろ、突然娘のベッドルームから大きな爆発音があがり、驚いたサワツキーさんが駆け付けたところ、娘のドレッサーの引き出しから黒煙が噴出していた。

 引き出しの中にあったカラオケマイクの持ち手の部分が燃えていたが、サワツキーさんがなんとか消し止めた。彼女はこの時、軽度のやけどを負った。「自分がもし仕事に出ていたら、家が全焼していたかもしれない」とサワツキーさん。

 このカラオケマイクは引き出しの中に何週間も使われないまま入れられており、爆発した時も特に充電器などには接続されていなかった。実際のところ、充電がうまくいかないことから、サワツキーさんは購入したウォールマートに返品しようと考えていた矢先のことだった。

 この件を製造元に報告したところ、ツーミ社の窓口からは燃え残ったマイクを返送すれば、無料で新品と交換するという電子メールが届いた。これを読んだサワツキーさんは「あまりにも人をばかにしている。もしマイクの使用時に爆発したら、娘の顔が炎に包まれたことになったかもしれないのに」と怒りを爆発させている。彼女は弁護士を雇い、法的手段に訴えるとメディアに語っている。

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。