2018年2月15日 第7号

 ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンド市で、連邦警察(RCMP)など当局が合同で違法なライドシェア摘発に乗り出した。

 先月下旬の2週間、主に中国語アプリを利用して急成長している違法ライドシェアの摘発を行ったのは、リッチモンド市役所、旅客運輸委員会(PTB)とRCMPによる合同チーム。
その結果は、事業主への営業停止処分:12件
旅客運輸に関する違反:12件(一件につき罰金1150ドル)
無許可営業:12件(同1000ドル)
旅客運輸に必要な免許の不保持:12件(同50ドル)
料金表の不保持:12件(同100ドル)となった。

 このほか、RCMPが違反切符5件を交付したほか車両一台を押収した。これらの中には、初心者マーク(Nナンバー)の運転手や、運転免許証の有効期限が切れている運転手がいたという。また別の摘発チームは、免許停止処分中にライドシェア運転手をしていた人物も摘発している。

 このようなライドシェア運転手は正規タクシー運転手と違い、過去の犯罪履歴などの調査が行われていないという。同市のマルコム・ブローディ市長も、こうした違法事業が公衆の安全を脅かしており、市民一人一人が自覚を持つことが重要と指摘し、BC州政府と協力して対策を進めていくと述べている。旅客運輸委員会は、これからも関係省庁と協力し摘発を進めていくとしている。

 違法ライドシェアを行っている事業体はまだ多数存在し、その一部には以下のような名称が使われている。ロングマオ(Longmao)、ユーディ・カイチェ(U滴快車、Udi Kuaiche)、ユー・ドロップ(U Drop)、ラクーン・ゴー(RaccoonGo)、ゴー・カブ(GoKabu)、ディンダン・カープール(Dingdan Carpool)、エーオー・ライドシェア(AORideshare)。

 このうちゴー・カブの運転手は1月、乗客のうちのひとりが中国人でなかったことを理由に乗車拒否していたと、あるメディアが報じている。

 旅客運輸委員会が昨年秋に摘発を開始してから、これまでに20件の業務停止命令のほか、営業許可証不保持のドライバーに対する罰金(1150ドル)を23件出している。

 旅客運輸のためには、定期的な政府の認可と車両の安全点検、有償で乗客を運送する場合の保険のほか、警察の犯罪履歴調査などが求められ、アプリを利用したライドシェアはこれらを満たさず違法操業となる。しかしこの点に関し、昨年夏にメディアの取材を受けたユーディ・カイチェの代表トム・チェンさんは、BC州にはライドシェアに関する法律は存在せず、気にしていないと答えていた。

 もし疑わしい行為を見かけた場合は、すぐに連絡してほしいと旅客運輸委員会では呼びかけている。(同委員会の電話番号604-527-2198)

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。