2018年2月1日 第5号

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州政府は1月30日、原油を運搬するパイプラインや列車に対し原油漏れが生じた場合の対策について新たな規制を発表した。

 同州ジョージ・ヘイマン環境相は、原油を運搬する企業が原油漏れが生じた場合にその影響と対応にどれほどの認識を持っているかを知る必要があると説明している。

 一度原油が漏れてしまうと、BC州経済と環境に大きな影響を及ぼす危険があることは明らかで、「BC州民はNDP政権に、BC州沿岸、州内陸部の水源、そして経済と環境をバランスよく守ってほしいと期待している」と語った。

 昨年5月の州選挙で少数派ながらグリーン党との協力合意を基に7月に発足した新民主党(NDP)政権は、キンダーモーガン社のトランスマウンテン・パイプライン拡張計画の停止を選挙公約として訴えていた。

 今回の新規制は、トランスマウンテンの工事を遅らせるためのBC州政府の対策ではないかとみられている。

 これについてアルバータ州レイチェル・ノッテリー州首相は、BC州政府が州民のために政策を発表することは当然のこととしながらも、すでに連邦政府が許可を出している計画を遅らせるような規制を掛けるのは間違っている」と批判した。

 トランスマウンテン・パイプライン拡張計画は事業費74億ドル、アルバータ州のオイルサンドをBC州バーナビー市まで運ぶ現存のパイプラインの拡張工事で、完成すれば運搬量は3倍の一日あたり89万バレルとなり、アジア市場へとタンカーで運ばれる予定になっている。

 

 

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