2018年1月1日 第1号

 カナダの通信大手3社、テラス、ベル、ロジャーズが揃って12月15日から18日まで、データ使用料引き下げキャンペーンを実施した。

 この期間に限り、10ギガバイト60ドルでの契約を可能とした。専門家によると、この金額は国内の通常価格より最大で約50パーセントも安いという。

 きっかけは国内第4の通信会社フリーダム・モバイルが10ギガバイト50ドルで売り出したこと。これに対抗した大手3社が一斉に、同期間、同額でキャンペーンを実施した。

 このキャンペーン価格は、ブリティッシュ・コロンビア州、アルバータ州、オンタリオ州限定。主に電話での申し込み限定との制限がかかっていたため、この期間の同3社への電話がつながらずツイッターなどでは消費者からの不満の声が上がっていた。

 カナダは通信費が世界でも最も高い国の一つとして知られている。理由は競争がほとんどないからで、大手3社が市場をほぼ独占している。さらに、連邦政府が新たな通信会社設立を促す政策をとっても、新規産業事業者を大手3社が買収するか、廉価版ネットワークを新規立ち上げするかして、カナダでの通信業界の競争力はなかなか向上しなかった。

 今回の件で、市場はやや値下がりするのではとの期待の声もあがっている。ただ、専門家はカナダが世界基準ほどの値下がりを実現するのはまだ先と予想している。

 

 

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