2017年9月7日 第36号

 ブリティッシュ・コロンビア州新民主党(NDP)政権は9月5日、ICBCの自動車保険料を値上げすると発表した。

 ベーシック・プレミアムが6・4パーセント、オプショナルが最高で9・6パーセント引き上げられる。平均すると約8パーセントで、一般的な自動車保険加入者ならベーシック・オプショナル2つで年間約130ドルの値上げとなる。

 この日記者会見したデイビッド・イービー司法長官は今回の値上げについて、自由党前政権の負の遺産の修正を強いられたものと説明した。

 イービー司法長官によれば、自由党前政権は2010年から2016年にかけて黒字予算を実現するため、約12億ドルをICBCから引き抜いていたという。

 「前政権が厳しいが必要な政策を実行していれば、ICBCの財政はここまで悪くなることはなかった」と非難した。NDPは7月に政権を担った時にICBC保険料引き上げは避けられないとすでに公言していたとも語った。

 ただ今回の引き上げ率は、アーネスト&ヤングが今年7月に発表した報告書の数字よりもはるかに低い。報告書によれば、ICBCの大改革がない限り、現状のままでは2019年までに30パーセント引き上げなければ正常な財政状況にはならないという。主な要因は衝突事故の増加と高級車の修理費などで、このままなら2年で10億ドルの赤字となると報告している。さらに、昨年11月の報告書では、2010年までに最高で42パーセントの引き上げが必要とも報告しているという。

 イービー司法長官は、前政権の政策のつけを州民が負う必要はないと語り、今回の低い引き上げ率に押しとどめたことを説明した。この他にも、交差点に取り付けられている赤信号カメラの監視を現在の6時間から24時間に変更することや、携帯電話使用禁止対策の徹底、ICBC管理体制の改革などの実行を発表した。

 BC州は国内でも自動車保険料が最も高い州の一つ。それでもさらなる引き上げが必要となる要因として、衝突事故の急増、前政権の対策不足と抜き取りの他に、自動車保険会社の競争力不足などがあげられている。

 

 

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