2017年9月7日 第36号

 ブリティッシュ・コロンビア州内陸部で発生した山火事は9月に入っても収束する気配をみせない。アルバータ州とアメリカ国境に近いクランブルック周辺では、9月1日、2日に避難勧告が出され、多くの住民が避難を余儀なくされている。

 原因は2つの山火事が広がったため。一つはラム・クリークで発生し220ヘクタールに、もう一つはセント・マリーズ・リバーで250ヘクタールに及んでいる。

 現在のところ直接の影響は出ていない。しかしこの辺りは観光地でもあり、火事が拡大すれば歴史建造物などにも及ぶのでは、と心配されている。

 9月1日には非常事態宣言が15日まで延長された。これまでに4万5千人が避難を余儀なくされている。BCワイルドファイア・サービスは4日時点で、火事による焼失面積は約114万8千ヘクタール、現在も162カ所で火事が続き、うち4カ所は4日に新たに発生したものと報告している。現在は182機の消化専用機やヘリコプターを使用、約3800人が消火活動にあたっている。これまでにBC州政府は4億6400万ドルを費やしている。

 9月5日には、連邦政府とBC州政府がバンクーバーで対策を話し合った。午後には記者会見を開き、人命最優先で対応すること、被災者への金銭的な支援を続けること、農家や牧場主などの被害を把握し経済的な支援すること、環境対策も考慮することなどが報告された。さらに今回の話し合いには先住民族も参加。被害にあっている先住民族の人々やコミュニティへの支援を確認。さらに連邦、州政府と一緒になって今後の対策を講じることでも意見が一致したと語った。

 現在BC州ではメトロバンクーバーを含め山火事の影響による大気質注意勧告が発令されている。

 

 

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