2017年5月11日 第19号

 記録的な豪雨と雪解け水のため、カナダ東部の各地で洪水が発生している。

 ケベック州ではモントリオール市と隣接するラバル市のほか、いくつかの自治体が7日に非常事態を宣言、被害を受けた人の救援・救助に全力で取り組む体制を取った。先週末の時点で150に近い自治体が何らかの形で洪水の被害を受けており、2500戸ほどの住居が浸水、1500人を超える住人が避難を余儀なくされた。

 またカナダ軍も先週に投入した400人に加え、7日には800人の増派を決定、被災地での救助活動にあたらせている。最終的に兵士の数は1650人ほどになる見通し。

 ケベック州環境省デビッド・エウテル大臣は、ここ55年間で最大規模の水位上昇だと語っている。また、同州公共安全省のマーティン・コワトー大臣は、水位は今週中にはピークを過ぎ、下がり始めるとの見通しを発表、被災地の住民には今しばらくの忍耐を呼び掛けていた。

 そんな中、7日夕方には冠水した道路で立ち往生していた車が水の勢いで流され、乗っていた家族3人と共にサンテ=アン川にのみ込まれた。車の屋根に避難していた家族のうち母親は自力で泳ぎ助かったものの、37歳の父親と2歳になる幼児が行方不明になり、警察がヘリコプターとダイバーを出動させ捜索に当たっている。

 ケベック州は8日、救済活動費用として50万ドルを赤十字社に寄付することを決定した。

 

 

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