2017年4月6日 第14号

 ノバスコシア州ハリファックスに住むローン・グラブへールさんの愛車には、自身の苗字を綴ったナンバープレートがつけられている。グラブヘールさんは、父親の65歳の誕生日プレゼントとして1989年、同州でカスタマイズ・ナンバープレート制度が開始された時、これを取得した。父の死後はグラブヘールさんが受け継ぎ、昨年12月までは自分の車のナンバープレートとして使用していた。

 ところが昨年12月に、ナンバープレート継続使用を申請したところ、当局から拒否された。

 理由は、その表記が女性を侮辱するものだということ。交通局は、このつづり(GRABHER)が、ドイツ系の苗字であることは認めつつも、公共の場所での表示には不適切だと彼に伝えた。また昨年10月には、市民から、このナンバープレートが女性を侮辱しているという苦情があったことも明らかにした。

 また、カスタマイズ・ナンバープレート制度が導入された当時の担当者は、グラブヘールさんの申請は個人の苗字としてであり、今日のような(特に、アメリカ大統領選挙期間中に暴露された、トランプ大統領の過去の発言ー女性の性器をわし掴みにするーのような)意味が一般的になるとは考えず受理したのだろうと、交通局では説明している。その一方で、例のトランプ大統領の発言は、今回の継続申請拒否には影響していないとも話している。

 しかし、グラブヘールさんは、これは自分の苗字に対する差別だとして、訴訟も辞さない構えだ。

 アルバータ州に住むホールさんの息子も同じ苗字のナンバープレートを装着しているが、今のところ問題は起きていない。しかし自分も同じような状況になるのではないかとの思いから、ナンバープレートの横に「これは私の苗字!」と書いたビニールテープを貼ることにした。

 

 

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