2016年12月8日 第50号

 ケベック州控訴裁判所は1日、ピットブルに関する同州モントリオール市の条例を制限するよう求めた訴えを退ける判決を下した。

 この訴えは、モントリオール市が9月に動物に関する条例を変更、ピットブルなど危険性のある動物を規制できるようにしたことに反対して起こされていたが、今回の判決により同市では、ピットブルの所有に関する制限が施行されることとなった。

 現在、同市内で飼われているピットブルの所有者は、12月中に登録を済ませる必要があるほか、口輪をはめること、短い綱につなぐこと、および大人が世話をすることが義務付けられる。

 しかし今年9月27日以降にモントリオール市で飼い始められたピットブルについては、市内での所有が認められなくなった。

 動物愛護協会モントリオール支部は、控訴審の判決に失望すると同時に、健康的で素行に問題のない犬たちの里親を市内で探すことができなくなったことを憂慮しており、この条例に反対し続けていくという声明を同日発表した。

 またかねてから条例に反対してきた同市議会議員のスターリング・ダウニーさんも、今回の判決でも条例の不備は変わらないし、犬による傷害事件も減らないだろうと指摘している。

 一方、条例賛成派は、犬種による規制は他の都市や州でも行われていることであり、重篤な傷害事件をできる限り減らすことがその目的だと主張している。デニス・コディーレ、モントリオール市長も、控訴審における勝訴を喜んでいるひとりだ。同氏は、ケベック州の別の裁判所でも数日前にピットブル規制を支持する判決が出されたことに触れ、危険性をはらんだ犬の所有を制限する必要性が合法的であることが認められたと、取材に答えていた。

 

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