2016年10月27日 第44号

 ブリティッシュ・コロンビア州中部沿岸の町ベラベラ近くで座礁・沈没したタグボートから流出した燃料の回収が、折からの悪天候で手間取っている。

 ベラベラの西約20キロメートルの地点で13日に沈没したのは、ネイサン・E・スチュワート号。沈没当時22万リットルの燃料を積んでいたとみられているが、どれくらいの量が海に漏れ出したかはわかっていない。10日経った段階で回収された量は、半分以下だという。

 事故発生後、燃料の拡散を防ぐオイルフェンスがタグボートのまわりに設置されたが、悪天候により回収作業をしていた船が一時港に避難したり、3メートルを超える高波でフェンスの一部が21日に損壊したりするなど、回収作業ははかどっていない。

 損壊箇所は22日に、海での使用に耐えられるオイルフェンスによって修復された。さらに海面に浮いた燃料を回収した後にフェンスをもう一重設置する計画だが、長引く悪天候によって作業は進んでいない。

 ベラベラの先住民ヘイルツック族の首長マリリン・スレットさんは、コミュニティは事故とその後の対応の遅れにショックを受けていると、取材に語っている。また今まで、こうした事故への備えは世界スタンダードだと聞かされていたが、それとはかけ離れたものだということが今回明らかになり、改善が必要だと指摘していた。

 

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