2016年9月1日 第36号
アメリカ・アラスカ州北部、北極海に面した町プルドー・ベイから、アルゼンチンの南端ティエラ・デル・フエゴまでの4万キロを、電動バイクで縦走しようとする3人組が、ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーに立ち寄った。
彼らが使用するバイクは、オーストリアのメーカーKTMの大型オフロードバイクを、電動モーターに換装した特別仕様車。約5時間の充電で300キロメートル程度の走行が可能で、最高スピードは130キロメートルに達する。メンバーのひとりJCデイビスさんは、クリーンテクノロジーを利用したバイクが実用レベルであることを広く知ってもらうことが、今回の縦走ツアーの目的の一つだと取材に話している。
15カ国を通過するこのツアーは、およそ9カ月かかるとみられている。舗装路だけではなく、未舗装や整備の行き届いていない箇所、幾多の想定外の状況などに遭遇すると思われるこのツアーは、電動バイクの真価を問うのにも最適だという。
そんなツアーの参加者のひとりダネル・リンさんは、2014年9月から1年間、アメリカ国内をバイク・ツーリングし続け7万8214キロメートルを走破し、ギネス世界記録に登録された経歴を持つ。彼女は、まだ誰も挑戦していないことを自分たちが成し遂げようとしていることが、モチベーションにつながっていると語っている。
電動バイクの最終調整のためにバンクーバーに立ち寄った3人は、間もなくツアー出発点のプルドー・ベイに向け出発する。ツアーの途中では電気自動車の大手テスラ・モーターのアメリカ・ネバタ州の工場で、創立者イーロン・マスクさんと面会することを期待している。