2016年9月1日 第36号

 ジャスティン・トルドー首相は8月30日午後(現地時間)北京に到着。中国との2カ国会談、同国杭州での20カ国・地域(G20)首脳会議に臨む。トルドー首相の中国訪問は4回目、首相としては初めて。今回は夫人と長女も同行している。

 到着早々、トルドー首相は中国の起業家で構成されている中国起業家クラブ主催の集まりに出席。司会を務めたアリババ創設者ジャック・マ氏をはじめ、中国の億万長者が顔を揃えた中、カナダと中国の関係強化を訴えた。

 トルドー首相は「中国はカナダとの関係を強化することによって、中国の国際的イメージを改善できる」と語り、中国にはカナダが必要との認識を示した。

 人権問題などから保守党スティーブン・ハーパー首相時代には関係が悪化した中加関係。約40年前、中国が国際社会へ扉を開くきっかけになったのが、ピエール・トルドー元首相の中国訪問だっただけに、新たな中加関係を期待しているとマ氏は語った。

 今回の2国間会談では、中国当局に拘束されているカナダ人ケビン・ガラットさんの解放や、9月1日から中国が検査強化を実施予定のキャノーラ問題、アジアインフラ投資銀行(AIIB)、人権問題などが話し合われるとみられている。

 トルドー首相は30日の晩餐で李克強首相と、31日には習近平国家主席との会談が予定されている。

 カナダ閣僚では、ビル・モルノー財務相、ステファン・ディオン外相、クリスティア・フリーランド国際貿易相が同行している。

 

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