2016年9月1日 第36号

 モントリオールで8月29日から行われる予定だったカナダエネルギー委員会(NEB)によるエナジー・イーストパイプライン建設計画の公聴会が30日、中止になることが明らかになった。再開はされるものの、日程は決まっていない。

 トランスカナダ社が建設を予定しているエナジー・イーストパイプラインは、アルバータ州のオイルサンドをカナダ東海岸ニューブランズウィック州セント・ジョンへと運ぶ4500キロメートル、総事業費157億ドルのパイプライン建設計画で、完成すれば一日110万バレルのオイルサンドを運ぶことになる。

 しかし、この建設計画は当初から反対が根強く、特に新たにパイプラインが建設されるケベック州では反対派が環境問題を理由に強く反対している。

 その一人がモントリオール市デニス・コデーレ市長で、これまでにも何度か建設反対を公式に表明し、関係各州や市から非難されている。

 パイプライン建設については賛成反対の両意見を広く聞くためにNEBが関係都市で公聴会を開催。モントリオールでは29日から5日間の予定で実施される予定だったが、初日の29日に反対を訴え抗議するために3人が会場で暴れたため、この日の公聴会は中止。その後、モントリオールでの公聴会を延期することを発表した。

 NEBは延期について、ケベック州ジャン・シャレー前州首相がトランスカナダで働いていた時に、NEB委員2人と接点があったことが明らかになったため、この2人を今回のパネルメンバーから外すかどうか決定するまでモントリオールでの公聴会は延期するとしている。

 関係都市での公聴会は今年12月まで行われ、最終は12月のオンタリオ州キングストン。その後、NEBは2018年3月までに報告書を連邦政府に提出し決定する。

 

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