ブリティッシュ・コロンビア州政府は11日、バンクーバー市が非居住物件に独自の課税をできるよう州法を変更することを発表した。マイク・デヨンBC州財務相は記者会見で、今月25日にも必要ならば変更法案を議会に提出すると語った。

 バンクーバー市グレゴール・ロバートソン市長は州政府の発表を歓迎し「課税方法や課税額、賃貸への移行に必要なものは何かを見極めなければならない」と語った。

 同市長はBC州政府の承認の有無にかかわらず、バンクーバー市が独自に非居住物件に課税することをすでに公言していた。同市の調査によると、所有者がいながら居住者がいない非居住物件は約1万800戸あるという。これらに課税をすることで、所有者に積極的に賃貸契約を結ぶよう働きかけ、現在0.6パーセントという空き室率を引き上げたい考え。健全な賃貸状況は空き室率が約3パーセントといわれ、これを目指したいとしている。

 ロバートソン市長は「これらの非居住物件は住居ではないため、住居用課税とすべきではない」と述べ、そうした住宅はビジネスであり、住居用より高い課税率になるのは当然との考えを語った。今後は来年の実施を目途に詳細を詰めていくという。

 BC州政府はバンクーバー市の非居住物件課税の実現と先週発表した不動産業界の自己規制を終了させる法案整備のため、2週間の緊急夏期議会を開く。

 野党BC新民主党デイビッド・イービー議員は、政府は通常議会では不動産についての議論は行わず、今になってやるのは世論調査が気になっているからだと批判。本来なら州政府が行わなければならないことを、市に代わりにやってもらおうとしているだけと酷評した。

 専門家は今回のバンクーバー市の課税の効果がどれほどあるかは分からない、と市の狙い通り賃貸物件が増加するかは方法次第とみている。

 バンクーバー市の状況を見て他の市も同様の対策をする可能性があるとBC州政府は予測している。その場合は各市の要請に応じる用意があるとも語っている。

 

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