北米3カ国首脳が6月29日オタワで会談、環境、経済、安全保障など様々な面で今後も協力していくことを確認した。アメリカのバラク・オバマ大統領、メキシコのエンリケ・ペニャニエト大統領、カナダのジャスティン・トルドー首相が集まった「スリー・アミゴ」会議といわれる北米3カ国首脳会議。カナダでの会議は2007年以来。

 同日開かれた共同記者会見では3首脳とも、一体化した世界経済から北米を隔離することは賢明ではないとの見解で一致。トルドー首相は貿易や国際合意が世界経済にとって、世界の人々にとって利益になることを今回の3首脳会議で確認したと語った。さらに、世界市場への輸出は各国にとって健全なものであり、国民が経済成長を共有できるとも語った。

 オバマ大統領は自由貿易には公平性が不可欠であることを強調し、すでに一カ国の経済を世界経済から隔離することは不可能で、世界経済はすでに一つになっているとの認識を示し、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)やNAFTA(北米自由貿易協定)を肯定した。次期アメリカ大統領候補がTPP離脱を示唆していることについては、「誤っている」との認識を示した。

 ペニャニエト大統領はトランプ氏がNAFTAを否定していることに対して、地域が統合することで国民が利益を得るということはここで明確にしておく必要があると述べ、その重要性を改めて強調した。

 環境対策では、2025年までに北米での発電の50パーセントをクリーンエネルギーにすることで確認、再生可能エネルギー、原子力、CCS(二酸化炭素の回収と貯留システム)などを含むとした。またメキシコが米加で合意しているメタンガスの排出量を2025年までに2012年比で40から45パーセント削減することでも合意した。北米はメタンガス世界排出量の約20パーセントを占めている。

 その他、アメリカのオーランドで起きた同性愛者を標的にした襲撃事件などを受けて人権問題に取り組むことを確認したほか、北中南米の安定のための平和維持、安全保障などについても話し合われた。

 また、トルドー首相とペニャニエト大統領との2カ国会談では、カナダが12月1日を目途にメキシコ旅行者のカナダ入国ビザを免除することに同意、メキシコはカナダビーフ輸入制限を解除することで同意した。

 

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