保守党は5月28日、バンクーバーで開催した党大会で同性婚を容認する方針を決めた。党大会に参加した党員による投票の結果、容認賛成が1036票、反対462票と賛成が反対を圧倒した。

 ミッシェル・レンペル議員は、「ようやく保守党が少しカナダらしくなったと思う」と容認決定を喜んだ。元閣僚ら、議員もおおむね容認を賛成している。マクシム・ベルニエ議員は「(個人の)自由と敬意を尊重したもの」と語り、議論の末、カナダらしい決定になってよかったと容認決定を称賛した。

 一方、男女1対1の結婚制度を支持する反対派は、同性婚容認で保守党としての党のアイデンティティーがどこにいくのかという疑問を投げていた。ただ個人的にはそうした考えを持っていても、党の方針として連邦レベルで同性婚反対を貫くことは難しいとの声が多数を占めた。

 5月26日から28日に開催された党大会の初日には、スティーブン・ハーパー前首相が党員の前で演説した。ハーパー前首相が公の場で演説するのは昨年10月19日に保守党が政権交代をして以降初めて。ハーパー前首相自身は選挙で当選したものの、党は自由党に大敗。その責任を取って党首を辞任したものの、議員としては活動していた。ただインタビューなど公の場ではこれまで一度も言葉を発したことはなかった。

 今回の演説の約30分間の内容は自身で考えたという。ハーパー前首相は秋の国会開会前には議員を辞職するだろうと報道されている。

 保守党はこれまで党設立時からの12年間、党首はハーパー前首相ひとり。2006年にはそれまでの自由党から政権を奪取し、10年間首相を務めた。ハーパー前首相が党首を辞任して以降は、ローナ・アンブローズ暫定党首が党を率いているが、来年には正式な党首を決定する。

 今回の党大会でも、その有力候補が出馬に意欲を見せるなど、舞台裏での駆け引きも見られた。現在、立候補を表明しているのは、ケリー・リーチ前労働相、マクシム・ベルニエ前中小企業担当相、マイケル・チョン議員。その他、ジェイソン・ケニー前国防相、すでに議員を辞職しているピーター・マッケイ前法務相が意欲を見せている他、リサ・レイト前運輸相の名前も挙がっている。

 今党大会には、CBCの番組ドラゴンズ・デンなどに出演して知られているビジネスマンのケビン・オレリー氏も参加。数日前に党員になったばかりという同氏は、CBCのインタビューで経済対策など政策についての持論を語り、出馬について意欲を見せた。

 保守党党首を決定する投票は2017年5月27日に行われる。

 

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