カナダ統計局は6日、4月の失業者数が2100人だったと発表した。失業率は7・1パーセントと前月と変わらなかった。3月は4万人増と大きく雇用状況が改善したが、4月は一転減少に転じた。

 失業者数は、産業別では製造業が最も多く1万6500人、次いで天然資源産業7800人、農業7000人、建設業5700人。製造業は昨年の12月以降、失業者数5万2000人と厳しい状況が続いている。専門家は、カナダドル安やアメリカ経済の回復による輸出業の好転が期待される中、製造業での失業者数増加は期待外れとの見方をしている。ただ、4日に発表された貿易収支報告で輸出額が減少し貿易赤字幅が拡大、その中で自動車・自動車部品の輸出が11項目中で最も減少していたことでも製造業の厳しい状況が現れている。

 一方で、小売業・卸売業で2万6800人増、宿泊・フードサービス業で2万1900人増と好調な伸びを見せている。

 地域別では、アルバータ州で失業者数2万800人と最も多く、天然資源産業と製造業の不調が同州の雇用状況を悪化させている。同州での天然資源産業の失業者数は2014年4月を頂点に5万人と原油価格の急落以降、厳しい状況が続いている。加えて、最近同州フォートマクマレーで起こった大火事も、オイルサンド生産地を直撃しているため、今後大きな影響が出ると予想されている。

 一方でブリティッシュ・コロンビア州は、好調な経済状況を表すように1万3000人増とアルバータ州の失業者数を相殺。また、ニューファンドランド&ラブラドール州で6100人増だった。その他の州の増減は微少だった。

 カナダ統計局の発表を受け、カナダドルは77・41米セントに下落。4月18日以来の安値をつけた。

 

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