アルバータ州カルガリー郊外のボブスレー施設、カナダ・オリンピック・パークで6日未明、営業時間後にコースを滑走していた10代の青年らが途中のゲートに激突、2人が死亡、6人が重傷を負う事故が起こった。

 死亡したのは、双子の兄弟ジョーダン・カルドウェルさんとエバン・カルドウェルさん。

 カルドウェルさんらは営業終了後の施設に侵入し、持参したそりでボブスレーコースを滑走していた。同コースは1988年の冬季五輪大会のほか、いくつかのワールドカップ大会でも使用されている。

 このコースは、ボブスレー用コースと、リュージュ用コースが別々のスタート地点から始まり、途中で合流する形になっている。合流地点には鋼鉄製の仕切りゲートがあり、片方のコースをふさぐ形でもう一方のコースが一定の幅になるよう動かせる仕組みとなっている。カルドウェルさんらは、このゲートに激突した。

 カルドウェルさん兄弟はカルガリー市内の高校に通っていたが、成績は優秀でいくつかの奨学金も大学から受けていたという。またジョーダンさんは生徒会会長を務めるなど、学内での人気も高かった。

 コースを運営するウィン・スポーツは、長年にわたり施設を安全に運営してきたとコメントを発表。今回のように営業時間後に何者かが侵入して、コースを使用するといった事件はなかったとしている。

 その一方でソーシャルネットワークのウェブサイトには、営業時間後にコースを『変なもの』で滑走するのは、同パークの従業員にとって恒例行事のようなものだったと書き込む者も。それに呼応するかのように、自分はビールを何本か空けた後に、ひっくり返した公園ベンチでコースを滑走したと書き込む者や、今までにも負傷して入院沙汰になったケースがあると指摘する者が現れた。

 ちなみにカルドウェルさん兄弟も昨シーズン、同パークの『ヒル・アンバサダー』として働いていた。

 カルドウェル兄弟が通っていた学校の生徒は今回の事件に大きなショックを受けているが、カルガリー教育委員会は、彼らに対し必要なサポートを速やかに提供すると発表した。

 また、8人の青年が営業時間後の施設に忍び込むという決断をしたことを責めるのではなく、悲劇で終わるような間違った決断をすることは誰にでも、特に若いうちは起こるのだということを、今回の事故から学んでほしいと呼びかけていた。

 

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