スイスのダボスで開催された世界経済フォーラムに出席していたジャスティン・トルドー首相は22日、同会議に出席していた俳優レオナルド・ディカプリオ氏に対して扇動的な表現は「助けにならない」と苦言を呈したことを明らかにした。

 環境保護活動家として知られているディカプリオ氏は、以前からカナダのオイルサンド産業に対して批判的な意見を述べていた。

 この会議でも20日の気候変動に関する演説の中で、企業の欲望が気候変動の原因になっていて「もうたくさんだ」と発言した。

 この発言に対しトルドー首相は、「アルバータ州もカナダも、昨年新政権が誕生し気候変動問題に対して行動を起こすことを約束している。(原油価格の下落により石油産業が停滞している中)職を失ったり、支援を必要としている家族もある。(ディカプリオ氏の)扇動的表現はそうした家族やカナダの助けにはならないと指摘した」と、晩餐会で反論したことを明かした。また、カナダが環境対策への行動を起こせば、それを一緒に祝うとディカプリオ氏が語ったことも明らかにした。

 アルバータ州を基盤とする保守党前政権は、オイルサンド産業への配慮のため環境問題に積極的に取り組むことをしてこなかった。そのため国際社会からは批判を浴びていた。しかし、昨年11月に政権が交代し自由党政権が誕生。トルドー首相は環境対策に積極的に取り組むことを約束している。また、昨年5月にはアルバータ州でも政権交代があり、進歩保守党政権から新民主党政権へと交代。同州レイチェル・ノトリー州首相も環境対策への積極的な対応を表明している。

 

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