2011年4月28日 第18号 掲載

Tsukiji 築地 (日本食レストラン)

130-135, 4751 Garden City Road, Richmond, B.C. V6X 3M7

604-276-2628

Homepage htt p://tsukiji.ca

お店で”おとーさん”と呼ばれて頼りにされている小林シェフとオーナーのMina さん

「おもてなし」を信条とする

和食レストラン 築地

 

日本食レストランに行きたくなった。バンクーバーやリッチモンドには数百の日本食レストランがあるが、まず店を決める際に思いつくことは何だろう?いつも訪れる常連の店、新しくオープンした最近噂の店、友人に連れられていった初めての店、等々、きっかけや様々な選択肢からお店を決めることと思う。その選択肢には、お店の雰囲気や料理以外に何があるだろうか?大事なコトいや人を忘れないように。そう、料理を提供してくれるシェフの存在である。料理の美味しさは素材、調理方法、味付け、盛り付けなどが影響するが、それらをコントロールしているのは、それぞれのお店に必ず存在するヘッドシェフ。日本で言う、板前さん達のまとめ役でもある板長(いたちょう)である。レストランでは、料理を作る側、食べる側、ふたつの立場が存在する。これは当たり前のことだが、肝心なのは、その作り手とお客さんの求めるベクトルであり、心である。今回紹介する日本食レストラン「築地」のヘッドシェフを務める小林義信シェフは、食通なら誰でも知っている、東京の「つきぢ田村」で修行を積んだ。その修行から始まった板前歴は約半世紀を迎えようとしている。そして「つきぢ田村」は、戦後の昭和21 年創業の老舗”懐石料理”の店である。懐石は元々、茶道の茶会の席で、主催者が客をもてなす料理であり、その「おもてなし」の心と技術を、今でも修行中と語る小林シェフ。白身の薄造りや、椎茸の土瓶蒸しなど人気のメニューも沢山あるが、しばらくは、日本からの食材が入手しにくくなるため、うにやつぶ貝、スナッパなど地元の食材をいかした料理を考案してみたいとのこと。さらに、日本料理の「季節感」をカナダの地においても表現できたらと語る。そして、和食について、懐石出身のシェフだけあって、「お寿司で少々お腹をふくらまし、その後の料理を美味しいお酒と共にいただいてもらえると嬉しいねえ」と、和食を堪能したいお客さんが、寿司バーのカウンターに座ってくれることを楽しみに待っているそうだ。もちろん、小林シェフの選りすぐりの料理と熟練職人の包丁さばき、そして「おもてなし」の笑顔で、満腹になることは間違いない。
(取材 東海林延友)

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