天空を舞う光のカーテン、オーロラ。大自然が織りなす、その神秘的な美しさは息をのむほどだ。

折角、オーロラ観光で有名なカナダにいるのだから、一度はオーロラを見にいきたいという読者も多いはず。オーロラツアーについて、バンクーバーの旅行会社、H.I.S. Canada(以下H.I.S.)、JTB International Jステーション(JTBI)、スカイランドトラベル(スカイランド)(五十音順)に話を伺い、まとめてみた。

 

イエローナイフの幻想的なオーロラ(撮影 福島洋輔)

 

いつがお勧め?

 現象自体は一年中起こっていて、夏も見ることができるオーロラだが、暗いほうが鑑賞には適している。「イエローナイフやホワイトホースは緯度が高く、夏は白夜の明るさでオーロラの光が見えないため、夜が暗くなる9月~3月末がベストシーズンという統計になっております。(H.I.S. )」

 そして「(オーロラ鑑賞の)ベストは2月!空気が澄んでいるからです」と、中でも2月を勧めるのはJTBIだ。

 スカイランドは夏も勧める。「意外と知られてないのが、イエローナイフの夏もオーロラ観賞には良い時期だということです。8月中旬~9月頃では気温が下がっても15度前後なので、少し着込めば冬の極寒の時期よりも長い間オーロラの出現を屋外で待つこともできますよ。」

 

イエローナイフ、それともホワイトホース?

 カナダのオーロラ観光のデスティネーションといえば、イエローナイフかホワイトホース。いずれもオーロラがよく発生するオーロラベルトにある。

 イエローナイフはノースウエスト準州の、そしてホワイトホースはユーコン準州の州都。飛行機では、バンクーバーからの直行便がないイエローナイフへは、エドモントンかカルガリー経由で4~6時間、直行便のあるホワイトホースへは2時間半と、BC州の北にあるユーコンのホワイトホースのほうがアクセスは楽だ。

 一方、鑑賞地としての魅力に関しては、オーロラ鑑賞施設、オーロラビレッジがあるのが、人口1万9000人のイエローナイフ。オーロラビレッジは日本人スタッフが多く、日本人向けのサービスもしっかりしている。「イエローナイフはオーロラ鑑賞の先駆け都市で、郊外に設けたオーロラ鑑賞のための施設を利用するツアーを提供し、まさに全力でオーロラ鑑賞に力を注ぎたいお客様にお勧めしております。」(H.I.S. )

 また、観賞率についても「イエローナイフですと3夜連続鑑賞での鑑賞率は驚異の99%となっております(当社比、レベル2以上)」(H.I.S.)と定評がある。

 対してホワイトホースは人口2万3000人。街の規模はイエローナイフより大きいが、日本人観光客はイエローナイフより少ないそうだ。ムースやカリブー、エルク、バイソンといった野生動物を間近で見ることができるユーコン野生動物保護区、タキーニ温泉、べリンジア博物館と観光スポットがある。

 「ホワイトホースは、実はタキーニ温泉や野生動物保護地区などオーロラ以外の見所もたくさんある町ですので、オーロラ鑑賞もさることながら、オーロラ以外の観光も充実させたい、またバンクーバーからですと片道3時間ほどで行けるため短距離で行けるオーロラ鑑賞地としてお勧めをしております。」(H.I.S.)

 

旅のプラン

 バンクーバーの日系旅行会社でも、バンクーバーから航空券込みのツアー、航空運賃を含まないツアー(その場合ももちろん航空券手配を依頼することもできる)の申し込みは可能。極寒の土地への旅だけに、日本人のことをよく理解している日系企業のサービスはありがたい。また、航空券やホテルを個人で手配して、現地でオーロラツアーを利用することもできる。

 バンクーバーではHIS、JTBI、スカイランドなどが航空券込み、航空券抜きの両方のツアーを販売している。

 ツアー日程は旅行会社、ツアーによるが、2泊3日か3泊4日が中心。「3泊すれば90%以上の鑑賞率」とも言われているが、「可能性は高くなるのは確かですが、ご存知のようにオーロラは自然現象ですのではっきりとした確証はありません。」(スカイランド)

 ただし、前述のとおり、イエローナイフで3夜連続鑑賞での鑑賞率は驚異の99%という話もある。

 

服装・持ち物

 2月の日平均気温はマイナス15度から30度近くになるため、極寒地向けのしっかりした防寒着が必要だ。旅行会社のツアーによっては、防寒具もセットになっている。

 そのほか、持ち物に関して、旅のプロの旅行会社が勧めるのは

①5本指の手袋 ミトンは温かいですが指が思うように使えないので、外でカメラを扱うときなどのために5本指の手袋。「5本指手袋をはめてミトンを重ねたらさらに暖か!」(H.I.S. )

②カメラの三脚 オーロラ撮影の際、ぶれを最小限に抑えるために三脚。

③使い捨てカイロ 寒さだけでなく、低温でのカメラのバッテリー対策として。「カメラの防寒気温が低いため、カメラのバッテリーが減るスピードが速いです。カメラを入れるポケットに一緒に入れておくと気持ちバッテリーのもちが良いです。」(H.I.S. )

 

現地でのアクティビティ

 オーロラ鑑賞は夜。ツアーにもよるがイエローナイフでは午後9時~午前0時半、ホワイトホースだと午後10時半~午前2時半。昼間は犬ぞり体験(操縦)やスノーモービルツアー、アイスフィッシング、かんじき・スノーシューなどのアクティビティ、オプショナルツアーを楽しむことができる。

 

取材協力いただいた旅行会社からのメッセージ

H.I.S. Canada

「本気のオーロラはHISのイエローナイフツアーで!キャンペーンも数多く実施しておりますのでウェブサイトをチェック!ホワイトホースではHISでツアーをお申し込みされた方に漏れなくHIS特製ユーコンビールをプレゼント(現地にてお渡し)。大自然の恵みを含んだビールをオーロラとともにお試しください!」

Tel 604-685-3524  www.his-canada.com

JTB InternationalJステーション

「今年もJTBはオーロラに全力で取り組んでいます!特に、お勧めなイエローナイフツアーのお得な早割り35日を実施してます!もちろん航空券も手数料なしで手配可能です。オーロラの感動を全身で感じてください。」

Tel 604-683-3167  www.jtb.ca

スカイランドトラベル

「基本内容に含まれる犬ぞりツアーは、20年の歴史を誇るBeck’s Kennelからの提供となります。オーナーのGrant Beck氏は先住民の家系で、犬ぞりレースのカナダチャンピオンに4度も輝いたプロフェッショナルです。現地には日本人スタッフもおりますのでどうぞご安心してお楽しみ下さい。」

Tel 604-685-6868  www.skyland.ca

(五十音順)

(取材 西川 桂子)

 

人気のアクティビティのひとつ犬ぞり体験(写真提供 オーロラビレッジ)

 

イエローナイフのツアーはオーロラビレッジの暖房機付き野外鑑賞席サービスがついていることも。小高い丘の上に設置されていて、眺め抜群なだけでなく、360度回転するので、オーロラがどの方角に現れても、体を動かすことなく、快適に観賞することができる(写真提供 オーロラビレッジ)

 

マイナス30度も耐える防寒具のレンタルも可能だ(写真提供 オーロラビレッジ)

 

イエローナイフの幻想的なオーロラ(撮影 福島洋輔)

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。